米Ciscoは8月27日(現地時間)、Linuxベースで電子メール/カレンダー機能ソフトウェアを開発する米PostPathの買収を発表した。PostPathは米カリフォルニア州マウンテンビューを拠点とする未公開企業で、Ciscoでは買収をすべて株式交換で行い、その総額は2億1500万ドルになる見込み。Ciscoによれば、同社が2007年3月に買収したWeb会議システムの米WebExのサービスの機能強化を行うのが狙いという。

ネットワーク機器を中心に事業を拡大するCiscoだが、近年は特にEmerging Marketと呼ばれる新技術やサービス事業に力を入れつつある。2007年のWebEx買収もその一環で、遠隔地でのリアルタイム会議サービスをインターネット経由で提供する同社の技術をCiscoのチャネルパートナー網に乗せることで、世界中のより広範な企業ユーザーへの利用拡大を狙っている。今回のPostPath買収では、この会議サービスであるWebEx Connectの電子メール/カレンダー機能を強化するのが目的となる。PostPathはLinuxベースのソフトウェアだが、同時にユーザー側はAjaxベースの簡易クライアント動作に対応しており、SaaSサービスとしてWebExとシームレスな連携が可能となっている。さらに携帯端末への対応も充実しており、こうした点が買収の決め手になったとみられる。

買収はCisco会計年度で2009年第1四半期(2008年8-10月期)にも完了する見込みで、PostPathの従業員はすべてCiscoのCollaboration Software Group(CSG)へと編入されることになる。