米国でのセグウェイを使っての行動範囲がさらに広がりそうだ。米カリフォルニア州サンフランシスコを中心としたベイエリア地区で地下鉄システムを運行するBART(Bay Area Rapid Transit)は8月15日(現地時間)、地下鉄車両内へのセグウェイならびに同種の電動補助装置での乗り入れを許可する1年間のテストプログラムの開始を発表した。現状で自転車や車椅子などの乗り入れは許可されているが、今回の措置は事故が相次いだことで利用の不許可が検討されていた電動式移動装置についても、一定の条件つきで正式認可するというもの。

今回車両への乗り入れが正式に許可されたのは、セグウェイ、そしてEPAMD(Electric Personal Assistive Mobility Devices)と呼ばれる電動移動補助装置。ピークタイムの利用は不可、1両目の乗り入れは不可、ホームへの移動はエレベーターのみ可能といういくつかの条件がついているものの、文字通りセグウェイのままで車両への乗り入れが可能となる。

もともとセグウェイなどの電動式移動装置を制限する決まりはなかったが、制御を失った装置が暴走して事故を起こす事例が相次いだことで、乗り入れ禁止の方向へと事務局が傾いていた経緯がある。直近の事例では、同月13日にBARTの24th Street Mission駅で制御を失ったセグウェイがホームから線路へと飛び込み、進入してきた車両と衝突する事故が起きている。怪我人や車両へのダメージはなかったものの、これがBART事務局にこれら機器の持ち込みを再考させるきっかけとなったようだ。地元紙の米San Francisco Chronicleなどの報道によれば、当初は事前に許可を受けた障害者のみを対象に電動車椅子での乗り入れを許可し、一般利用者に対してはこれら装置での乗り入れを禁止する方向で検討を進めていたようだ、だが最終的に15日の発表で一般にも利用許可が下りたことになり、条件付きながらもセグウェイの利用が正式に認められた形となった。

プログラムへの参加には事前申請が必要で、駅への乗り入れの際にはBARTから発行される許可証をセグウェイやEPAMDの本体に貼付しなければならない。許可証の発行は8月20日より開始され、審査プロセスには2週間程度を要すると事務局では説明する。