日本ヒューレット・パッカードとTISは7日、オープンソースによるビジネスプロセスマネジメント(BPM)分野で協業を開始したと発表した。今回の協業はオープンソースの利用により、低価格かつ高品質のITシステム構築を求める市場ニーズに応えることを目的としており、特に最近関心が高まっているBPMの分野に焦点を定めたもの。

また両社は今回の協業に先立ち、医療用検査機器・試薬大手のシスメックスにオープンソースによるBPMシステムを納入し、経理/総務/勤怠のシステムが既に本格稼動しているという。

TISは、レッドハットのオープンソースBPMエンジン「JBoss jBPM」を採用したワークフロー開発フレームワーク「e-ProcessManager」を開発し、BPMシステム導入のコンサルティング/インプリメンテーションから、基幹情報システムのライフサイクル全般までの実績を持つ。HPはx86サーバ「HP ProLiant サーバ」を中核にプラットフォームを提供している。この両社の協業により、低価格かつ高品質なBPMシステムの提供が可能になったとしている。

シスメックスに対して両社は、Windows Serverが稼働するHP ProLiant上でe-ProcessManagerを使用するBPMシステムを2007年7月から導入開始し、2008年2月に経理システム、4月に総務システム、6月に勤怠システムが稼動開始した。新システム導入の主な効果として、(1)従来システムよりもアプリケーションのレスポンスが向上し、業務スピードがアップ、(2)オープンソースの採用により、システム拡張時のライセンス費が発生しないなどのランニングコストを低減、(3)自社の業務フローに合わせた自由度の高いシステム構築の実現と高い拡張性、(4)グローバル展開を見据えた将来の多言語利用にも対応可能といった点を挙げており、シスメックスは今後、同システムのグループ関連会社への展開を図るなど企業マネジメントの中核システムとしていく予定という。

今後HPとTISはJBoss jBPMを中心とする製品検証を実施し、OSやハードウェアについての組み合わせやベンチマーク、サイジングなどを行い、検証結果を文書として公開する予定だ。この検証結果を受けて、TISはユーザー企業に最適なシステムの提案サービスおよび構築サービスを提供していく。