P2PやWebストレージなどを介した、不法複製コンテンツおよびソフトウェアのアップロード/ダウンロードが問題となっている韓国。最近は政府や団体などによる取り締まりが強化されてきているが、それにも関らず多くの不法複製が行われていることが、調査により明らかとなった。
韓国ソフトウェア著作権協会は、2008年上半期における、P2PやWebストレージなどによるソフトウェアの不法アップロード・ダウンロードに関するモニタリング結果を発表した。これは計22のP2P、Webストレージサイトと、計44のソフトウェアメーカーを対象に調査を行ったものだ。調査対象のWebサイトは前年より4つ、ソフトウェアメーカーは26拡大して調査を実施した。
それによると2008年上半期、P2PやWebストレージなどに不法アップロードされたソフトウェアの数は4万2000以上にのぼり、これによる被害額は690億ウォン(約73億4741万円/1円=0.1064ウォン)を上回ることが明らかとなった。
同協会によると、2007年の1年間で不法複製および共有による被害額は1040億ウォンだったという。2007年よりも調査対象となるWebサイトやソフトウェアメーカーが増えたことも影響しているが、2008年は前年よりも多いペースで不法複製ソフトウェアがやり取りされていることが明らかとなった。
最も多くの被害額をこうむったソフトウェアメーカーは、222億ウォン(約23億6395万円)のMathworksだった。Mathworksはアルゴリズム開発や数値計算などのためのテクニカルコンピューティング言語・対話型環境の「MALTAB」をはじめとした製品を提供するメーカーだ。
これに続くのは140億ウォン(約14億9078万円)のAutodeskだ。Autodeskは建築、設計関連のソフトウェアを多数提供しているメーカーである。こうしてみると1、2位を占めているソフトウェアメーカーは、一般の人が使うことはほとんどない専門性の高いソフトウェアを提供する企業であることが分かる。こうしたソフトウェアは往々にして高価なものだが、それが理由であるのか、一部専門職の人たちにより多く複製されているようだ。また3位は126億ウォンのMicrosoftとなった。
一方、被害件数ではMicrosoftが最も多い1万3887件。2位は1万881件のAdobe、3位は5492件のBlizzard、4位は3686件のHaansoft、5位は2612件のAutodesk、5位は1009件のAnlabとなった。
2位のBlizzardは韓国で大人気の「World of War Craft」などのオンラインゲームを提供するメーカー。4位のHaansoftは、ハングル環境に強いワープロソフトとして韓国で信頼を得ている「アレアハングル」などを提供している。5位のAnlabも韓国では最も多く利用されているセキュリティソフトウェアを提供する企業だ。件数で見た場合は被害額とは逆に、一般の人たちに多く利用されているソフトウェアが上位を占めていることが分かる。
こうした結果を両面から見ると、結局、仕事用・趣味用、専門職向け・一般ユーザー向けを問わず、多様なソフトウェアが不法複製され、インターネット上で流布しているようだ。
同協会では「(不法アップロードされた)1つのソフトウェアを、複数の人がダウンロードできることを考えれば、被害金額はさらに大きくなる可能性がある」と述べ、不法複製ソフトウェアが減少しないことに対し遺憾を念を表した。