システム効率

SASアーキテクチャは基本的に柔軟であり、システム設計者に対して手詰まりであるとか、克服し難い限界を作り出すことはまずありえない。そしてしばしば見られることは、業界がこうしたシステム上の課題を乗り越えるための複数の方法を考え出してきたということである。

その適例を挙げると、ネイティブなSATAプロトコルのタイミングとディレイへの対処がある。SATAはもともとイニシエータが1つであることを前提に設計されたため、リンクの最適化は通常考慮されていない。従って、あるフロー制御が特別に長時間かかったとしても、リンクを開放するようには設計されていない。

この問題を回避する1つの方法は、GB当たりのコストが安いSATAドライブの特性をサポートする新タイプの高容量SASドライブを使用し、これをもっと大きくて低速のSASバージョンのように認識させることである。

こうした「すべてSAS」のアーキテクチャは市場では一定の訴求力を持つため、こうした設計が6Gb/sのSASの出荷サイクルに登場し始めるものと見ている。

しかし、その他のシステム設計者にとってはドライブの選択と調達の制限が懸念される分野になるかもしれないが、これには代替的な方法が用意されている。

伝統的なインターポーザの設計は、大抵SATAプロトコル・ドメインの機能になっているが、システム効率問題をうまく解決せず、ファームウェアへの依存性により一貫性に欠ける結果のまま放置されている。

そこで、新しいインターポーザタイプのデバイスであるSATAブリッジが、6Gb/sのSAS採用サイクルに登場することが約束されている。これらの製品はSASプロトコルを直接受け入れ、SATAドライブで構成されたほとんどのSASシステムとは異なって、SATAトンネリングのサポートを必要としない。

この複雑な話題はそれだけを専門の論文で扱うべきかもしれないが、ここで紹介した理由はSASのアーキテクチャの柔軟性が、いかにシステム設計の課題に向けて多くの革新的な方法として使用され得るかを示すものである。

おおよその6Gb/s SAS Ecosystemロードマップ