米Yahoo!は7月10日 (現地時間)、オープン検索プラットフォーム「Yahoo! Search BOSS (Build Your Own Search Service)」を発表した。Webサイトのクローリング、インデックス化、関連性の分析、そしてアルゴリズム開発やデータセンター運用など、Yahoo! Searchを支えるインフラと技術の上に、サードパーティが独自のカスタム検索サービスを構築・提供できる。すでに同社は検索結果をカスタマイズできるSearchMonkeyを提供しているが、BOSSではランキングも操作でき、1日のクエリ数に制限がないなど完全開放と呼べるような内容になっている。現在APIのベータ版が提供されている。

「今日の検索市場における革新と成長の実現は、3つのメジャーな検索エンジンに限られている」とYahoo! SearchのチーフストラテジストであるPrabhakar Raghavan氏。「BOSSは検索サービスのアイディアを持つ開発者や会社に実現の場を提供し、その結果ユーザーに新たなWeb検索体験をもたらすと共に選択肢の幅を拡大する」と述べる。

BOSSでは、検索結果のランキングの入れ替えが可能なほか、Yahoo!ブランドを用いることなく自由に結果表示をカスタマイズできる。そのためYahoo!のインフラを使いながらも、完全に独自の検索サービスのように見せかけることが可能だ。またYahoo!からの検索結果と他のソースからのデータをマッシュアップするためのPythonライブラリとUIテンプレート「BOSS Mashup Framework」も用意されている。対象となるYahoo!のデータはWeb、ニュース、画像のインデックスだが、今後さらに対象の幅を広げるという。

Yahoo!はBOSSのアルファプログラムの成果をいくつか紹介している。例えばWebブラウジングのコラボレーションツールを提供するMe.diumは、ユーザーによるクラウドランクを反映したソーシャル検索を実現している。セマンティック検索のHakiaは、Yahoo! Search Indexを用いた高速な自然言語検索に利用した。

Yahoo!は今後数ヶ月中に、Yahoo! Searchの広告または他のモデルを用いてBOSSから収益を上げられる仕組みを提供するとしている。