FLOSSが定着してきているとはいえ、Webアプリケーションにおいて欠かせないいくつかのプラグインはバイナリのみの提供となっている。たとえばそれはFlashプレーヤプラグインやAcrobat Readerプラグインだったりするわけだが、こうしたバイナリプラグインの活用を広げるためのツールが待望の1.0リリースをむかえた。NSPluginWrapper 1.0の登場だ。10カ月ほどの期間を経てのメジャーアップグレードとなった。

NSPluginWrapperはNetscape 4 (NPAPI)プラグインに対する互換プラグインを実現するツール。同ツールを活用すると、たとえばLinux/x86_32むけに提供されているブラグインをLinux/x86_64で使ったりFreeBSDなどのほかのOSで動作させるといったことができる。

NSPluginWrapper 1.0はFlash Player 9 Update 3 (9.0.115)を使った場合にクラッシュが発生する問題が修正されているほかAcrobat Reader 8のフォーカス問題の修正、Intelコンパイラでビルドした場合の問題の修正、IBM XLCコンパイラサポートの追加、WebKitサポートの修正、フルでバッグモードでのmozpluggerサポート修正、RPC初期化中のエラーハンドリングの改善、NPP_WriteReady()およびNPP_Write()におけるエラーハンドリングの改善が実施されている。

今のところサポートされているプラグインは次のとおり。

  • Acrobat Reader (5.0.9, 7.0.1, 8.1.2)
  • DejaVu Libre (3.5.14)
  • Flash Player (7.0, 9.0, 9.0 update 3, 10.0 beta)
  • Linux JPEG 2000 (0.0.2)
  • Mplayerplug-in (2.80, 3.25)
  • Real Player (10.0.5)
  • ICA Citrix Client
  • Squeak VM (3.7)
  • Tcl/Tk (3.1.0)

64ビット対応版のOSを使いたい場合でも、バイナリしか提供されていないプラグインが対応していないため移行を留まることがある。NSPluginWrapperはそういった場合に活用できる便利なツールだ。

FreeBSDでLinux Flash7プラグインが動作している例

FreeBSDでAdobe Reader 8プラグインおよびRealplayerプラグインが動作している例