米IBMは18日(オランダ時間)、オランダのホスティングサービス事業者iTricityと共同でクラウドコンピューティングセンターを設立することを発表した。IBMの「Blue Cloud」技術をベースにしたもので、iTricityは同センターを利用して、自社顧客に月額ベースでクラウドコンピューティングサービスを提供する。

iTricityとIBMは共同で、iTricityがベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ)顧客に提供するクラウドコンピューティングセンター「Cloud Computing Hosting Center」を設立する。iTircityがオランダに持つ5つのデータセンターを結びつけてコンピューティングリソースを共有、仮想的に1つのデータセンターのようにする。顧客はどこからでもアプリケーションにアクセスすることができるという。

コンピュータリソースを動的にプロビジョニングするため、顧客にはインターネットのような感覚でコンピュータリソースが配信され、これを利用できるという。このようなクラウドコンピューティングのメリットに加え、iTricityは「Secure Cloud Management」「Infrastructure Profiling and Self Service Provisioning」「Payment Portal」などの機能を追加する予定。信頼性、堅牢性、各種規制遵守などの要素を加えるとしている。

Blue Cloudプラットフォームの特徴は、新しいITリソースが追加されても管理コストがほとんど増加しないこと。iTricityは、運用効率の改善、消費電力の削減なども目標にしているという。

IBMは、「IBM System x」「IBM System p」といったサーバ、また管理ソフトウェアとして「IBM Tivoli Provisioning Manager Software」などを提供する。5つのデータセンターは仮想的SAN、最新のMPLS(Multi-Protocol Label Switching)を利用して接続する。クラウドコンピューティングセンターは、iTricityの関連会社GlidePathの安全なインフラをベースとし、情報セキュリティ管理システムの国際規格であるISO27001に準拠するほか、銀行や政府機関が必要とするセキュリティ機能も提供するという。

iTricityでは、同センターで配信するクラウドコンピューティングを、月額ベースで提供する。顧客は従量課金または定額から選択できるという。