総務省は12日、インターネットでの犯行予告などを自動的に検知できる新技術の開発を行う方針を明らかにした。東京・秋葉原での殺傷事件を受け、増田寛也総務大臣が指示した。

総務省によると、現在のフィルタリング技術では、「殺人」「殺します」といった言葉に反応する方式になっている。この方式だと検知数が膨大なものになってしまい、どれが本当に危険なものかを見抜くのは難しいのが現状。

新しく開発する技術は、情報通信研究機構などで開発されている「自然言語処理技術」を応用。単語に関わる文脈や時間的変遷を解析することで、「どの情報が本当に危険なものかを検知することができる」(総務省)という。

同省では、新技術の開発について、2009年度の予算要求に盛り込む方針。要求が通れば、来年度から研究が開始される。開発されれば、フィルタリングサービスを提供する企業などの利用が見込まれている。

だが、研究を開始しても数年はかかる見通し。「当面は警察庁が呼びかけたように、書き込みを見たら110番通報してもらうなどの措置を徹底してもらうしかない」(同)と話している。