Apotheker氏は最後に、SAP自身のビジネスネットワークを紹介した。
ハードウェアベンダ中心のインダストリーバリューネットワークでは、米Hewlett-Packard(HP)らハードウェアベンダとの協業を紹介した。SAPとHPは今年3月、Business All-in-Oneで提携、「Fast-Start Program」として、事前設定、事前検証済みのセットソリューションを提供している。これにより、SMBはSAPソリューションを容易かつ低リスクで導入できる。
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Jeff McDowell氏 |
このところ強化しているのがモバイル対応だ。中でも、ビジネスマンに人気の「Blackberry」を提供するカナダResearch In Motion(RIM)は、重要なパートナーになる。
RIMのグローバルアライアンス担当副社長、Jeff McDowell氏は、SAPとの提携について、「最大のエンタープライズ携帯端末と最大のエンタープライズソフトウェアの組み合わせだ。SAPのアプリケーションを利用可能にすることは、われわれにとって戦略的に重要だ」と述べた。「Blackberryは電子メールをシンプルにしたことで成功した。同じことを業務アプリケーションでも目指す」という。
現在、CRMを対応させている。たとえば、カレンダーにある顧客とのアポイント情報からSAP CRMに移り、顧客に関する詳細な情報を入手できる。顧客との通話後、SAPの営業管理に移り、コンタクト内容を記録できる。使いやすさにフォーカスし、直感的に操作できるようクリック数を減らした。これにより、「生産性を改善できる」とMcDowell氏。
SAPとRIMは今後もBlackberryでのアプリケーションの対応を進めていくという。
SAPは、インダストリーバリューネットワークのほか、ビジネスプロセス専門家、エンタープライズサービスコミュニティ、開発者向け「SAP Developer Community」、ユーザーグループの5種類のパートナープログラムを展開している。
ここでのSAPの戦略は、パートナーとともにイノベーションを推進していくこと。中心は顧客だ。顧客フォーカスを示すのが、SAPが先日発表した「Enterprise Support」だ。このサービスは、メンテナンスとサポートをSAPが請け負う。24時間365日体制で、「エンタープライズシステムを包括的にサポートすることで、顧客のリスクを削減する」とApotheker氏は説明する。
最後にApotheker氏は、SAPは「顧客がビジネスの境界を越えて展開できるよう支援していく」と締めくくった。