米Embarcadero Technologies(エンバカデロ・テクノロジーズ)は7日(現地時間)、米Borland Softwareの開発ツール部門であるCodeGearを2300万ドルで買収すると発表した。買収作業の完了は6月30日を予定している。
Embarcadero Technologiesは、設計、開発、運用管理などの工程で利用可能なデータベース関連ツールを提供する企業。米国のほか、オーストラリア、ドイツ、イギリスなどに拠点を構える。Embarcadero Technologiesの発表によると、今回の買収により同社が対象とする市場規模はワールドワイドで1500万ユーザーに上り、さらに経営統合後も毎年10%ずつ伸びるという。
Borland Softwareの開発ツール部門を巡っては、ALM(Application Lifecycle Management)製品へと主軸を移してきた同社が、2006年に売却先を探すことを発表。その後、同社の一部門という形態をとりつつも、CodeGearとしてBorland Softwareとは独立したかたちで経営を続けてきた。この2年間は、独立前から提供するDelphi、C++Builder、JBuilder等を強化する一方、Ruby/Ruby on Rails向け統合開発環境「3rdRail」をリリースするなど、ソフトウェア開発者の生産性向上をテーマに積極的に活動を進めている。
CodeGearデベロッパーリレーションズ担当副社長兼チーフエヴァンジェリストのDavid Intersimone氏はCodeGearユーザーに向けたコミュニティレターの中で、2001年にEmbarcadero TechnologiesがJBuilderにツール統合を行った経緯があり、両社の顧客/従業員が共通していることを明かしたうえで、「この売却取引が完了した時点で、合併した会社は、1+1= 3++になる取引のよい例となることでしょう。私たちは、両社で、より統合されたアプリケーション開発サイクル、間違いが起こりやすいタスクの自動化、劇的な生産性の向上といった機能を提供し、開発者の皆さんの投資を守り、よりよくしてまいります」と語っている。