空間データの世界標準・相互運用を目指した国際コンソーシアムOpen Geospatial Consortium(OGC)は米国時間の4月14日、KML(Keyhole Markup Language)をOGC標準とする「OpenGIS KML(OGC KML) Encoding Standard」の承認を発表した。

KMLは、Google EarthやGoogleマップにおいて地理的特徴を表示するポイントや線、イメージ、ポリゴンなどの記述に用いられているXML文法およびXMLファイル形式である。GoogleとGaldos Systemsがオンラインマップや地図ソフトにおける表示言語の標準確立を目的に、KMLバージョン2.2をOGCの標準検討プロセスに提出していた。

OpenGIS KML 2.2 Encoding Standardは、KML 2.2のモデルおよび言語を形式化したもので、KML 2.2ジオメトリエンコーディングおよび補間モデル、アプリケーション・プロファイルをサポートする拡張モデル、適合要件およびテストケースなどが定義されている。KML 2.2ファイルや対応ツールとの互換性もある。OGC標準のWebサイトから入手可能だ。

GoogleのKML Product ManagerであるMichael Weiss-Malik氏は、「国際標準団体であるOGCが標準化プロセスの完了を発表したことで、今日よりKMLはGoogleのコントロールから離れる。KMLはOGC標準となり、今後OGCが管理と拡張の責任を負う。この所有権の移行は、Googleのオープンスタンダード・サポート、そして情報をコントロールするのではなく、伝播していく姿勢を反映したものだ」と述べる。

同氏はまた、「KMLの標準化によって、あらゆるユーザーがオープン形式で地理情報をパブリッシュし共有できるようになる。ただし、これは全てのWebブラウザでWebページを表示できるようにするWebブラウザにおけるHTMLサポートの標準化とは異なるものだ」と説明する。ソフトウエアやサービスのOGC KML対応が今後の課題の1つとなるが、ネットユーザーによってカスタマイズされた地図をネット上で幅広く利用できるようにする方向へ業界全体が進みつつあるようだ。例えばMicrosoftが4月10日に提供開始した地図サービス「Windows Live Maps」の最新版では、KML形式のインポート/エクスポートがサポートされている。