日本CAは8日、バックアップ/リカバリのためのストレージソリューション「CA ARCserve Backup r12」およびオプション製品3種を発表した。5月下旬より発売開始予定。同製品の発表と共に、同社では新たにストレージ営業部を新設、専門知識をもつ営業/マーケティングスタッフを揃え、ストレージ関連製品の販売に力を入れていく構えだ。

CA ARCserve Backup r12は、従来製品「CA ARCserve Backup」に

  • 一元管理機能の強化
  • セキュリティ機能の強化
  • ディスクとデバイス管理機能の簡略化
  • サポートアプリケーションの拡張およびDisaster Recovery Optionの強化
  • レポート機能の拡張

といった新機能を追加したもの。とくに一元管理機能については、今回追加された新オプション「Central Management Option」による3階層マネジメントアーキテクチャを採用し、最上位のプライマリサーバ(ドメインに1台)からジョブ、デバイス、カタログ/データベース、ライセンスなどの管理が可能。リモートオフィスからの管理/運用も行える。

また、セキュリティ強化に関しては、FIP認定のAES 256ビット暗号化およびハードウェアベースのテープドライブ暗号化をサポート。これも今回追加された「Enterprise Module」オプションにより、ARCserveサーバおよびテープドライブでの暗号化を可能にし、業務サーバの負荷を抑える。

さらにVCB環境向けに新エージェント「Agent for VMware」が追加され、VMware ESXサポートが拡張されている。これによりESXサーバ上のVMはVCBバックアップを通して保護されることになる。

日本CA パートナー営業本部 本部長 今野芳弘氏は、同社のストレージ戦略強化にあたり、「2年前に比べて保護すべきデータ量は10倍以上になっているのに、ネットワークのバンド幅がそれに追従できていない」と指摘、こういった状況下で何も対処せずにいれば、いつ重要なデータを損失してもおかしくない状況下にあるという。データの損失/紛失は企業イメージの低下や信用の失墜といった危機を招じかねない。

ただ単にデータを保護するだけではなく、いかに現状に近い状態でリカバリするか - 日本CAのストレージソフトウェア戦略はそこにフォーカスしている。データ量の急増、コンプライアンス強化、業務の継続性への要求など、ビジネス要件が大きく変化している昨今、データ保護にもマルチレベルレイヤでの対応が必要とされている。各ストレージベンダがさまざまなソリューションを提供する中、同社はCA ARCserve Backup r12でもって、"迅速なリカバリ"と"アーカイブリカバリ"を、別シリーズの「CA ARCserve Replication」でもって、"ミッションクリティカルなデータのレプリケーション"を図る。

CA ARCserve r12の対応環境は以下の通り。

  • ファイルサーバ、アプリケーション、データベース: Microsoft Exchange Server 2007、Microsoft SQL Server 2005、Microsoft SharePoint 2007、Oracle Database 11gなど
  • OS: Windows 2000/2003/2008。

最小構成価格は15万円(税別)から、オプション製品ついては以下の通り(いずれも税別)。

  • Central Management Option: 23万6,000円
  • Enterprise Module: 23万6,000円
  • Agent for VMware: 9万8,000円