広汎性発達障害の児童・生徒が通う神奈川県小田原市の小中高一貫校「湘南ライナス学園」は12日、インターネット掲示板「2ちゃんねる」などに学園と学園長をひぼう中傷する書き込みをしたとして、元生徒の父親が名誉毀損の罪で小田原簡易裁判所から罰金50万円の略式命令を受けていたことを記者会見で発表した。

同学園に対しては、2005年秋ごろから2ちゃんねるなどを中心に、子供たちの就労訓練や学園長、理事長らに関するひぼう中傷が約4,000件書き込まれた。その結果、退学者が増加したり、職員がうつ病にかかったりしたという。

同学園はこうした事態を受け、2006年12月、多数の人物による書き込みによって学園と学園長の名誉が傷つけられたとして、被疑者不詳のまま神奈川県警小田原署に刑事告訴。2007年1月に同署によって受理された。

今回略式命令を受けた元生徒の父親は、「無報酬で働くことを強要する」などの書き込みを約300件書き込んだといい、2007年10月には、同学園から2,000万円の損害賠償を求める民事訴訟も起こされている。

同学園 教務主任の増田和也氏によれば、今回の記者会見は書き込みによって一時混乱した学園を再建するため児童・生徒らが企画したものだといい、「今後もライナス学園が理想とする教育を追求していきたい」と話している。