シマンテックは12日、都内でで会見を開き、Windows Mobile搭載スマートフォン向けのセキュリティスイート「Symantec Mobile Security Suite 5.1 for Windows Mobile」を14日に発売すると発表した。パソコンと同水準のセキュリティおよびデータ保護機能を実現できる。同社のエンタープライズ向けVAR事業者、システムインテグレータ、OEMパートナーなどを通じて販売する。価格は総ユーザ数に応じて変動するが、100~249ユーザの場合には1ユーザ当たり6,700円。オプション製品として、IPsec VPNによる接続を実現する「Symantec Mobile VPN 5.1 for Windows Mobile」も同時に発売する。価格は100~249ユーザの場合、1ユーザ当たり7,600円。いずれも、Windows Mobile 5.0および6に対応している。

会見では、同社のソリューション&プロダクトマーケティング部 部長の遠藤敦子氏が「すべてのエンドポイントにエンタープライズクラスのセキュリティが必要だが、モバイル端末のセキュリティへの取り組みはまだ遅れている」との認識を示し、本製品によってより広範なエンドポイント保護を実現すると述べた。

シマンテック ソリューション&プロダクトマーケティング部 部長の遠藤敦子氏

続いて同社のソリューション&プロダクトマーケティング部 セキュリティグループ プロダクトマーケティングマネージャの山中幸代氏が昨年(2007年)のスマートフォン出荷台数が全世界で1億1,500万台に達し、ノートPCの出荷台数とほぼ肩を並べたといったデータを紹介。企業情報システムの中でスマートフォンが活用されるようになりつつある一方、セキュリティ対策が追いついていない現状について語った。ある調査によれば、「75%の企業がスマートフォンのセキュリティ対策をしていない」という。利用が拡大する一方で、セキュリティ対策が遅れれば、悪意ある攻撃者に狙われる恐れがある。また、スマートフォンは利用者が常時持ち歩くことで情報漏洩の際により深刻な被害に繋がるリスクがあるという。スマートフォンをターゲットにした「スヌープウェア」と呼ばれるスパイウェアでは、端末内部のカレンダー情報を参照して最適な時間帯を判断し、リモートから端末のマイクを起動して盗聴を行ったり、端末のカメラ機能を使ってスパイ行為を行うといった脅威が考えられるという。

シマンテック ソリューション&プロダクトマーケティング部 セキュリティグループ プロダクトマーケティングマネージャの山中幸代氏

Symantec Mobile Security Suite 5.1 for Windows Mobileでは、アンチウィルス、LiveUpdate、ファイアウォール、暗号化、集中管理機能、Network Access Control機能(Mobile VPN 5.1が必要)、不正防止機能、電話制御機能、などを実装し、これらの機能の組み合わせによってスマートフォンにエンタープライズクラスのセキュリティを提供するという。

発表では、スマートフォンに注力する国内キャリアとして、イー・モバイル、ウィルコム、ソフトバンクモバイルの3社の代表も出席し、それぞれの立場からスマートフォン端末に対するセキュリティ強化の必要性を強調した。