"Googleは本当の意味でビジネスを理解していない。ビジネスの分野でMicrosoftに追いつくには、高い高い障壁がある"――これは米Microsoft会長のBill Gates氏の発言である。これまで競合他社について攻撃的なコメントを控えていた同氏が、その心情やMicrosoftとしてのスタンスの一部を吐露することとなった。

この発言が飛び出したのは、米ワシントン州シアトルにて同社が開催した「Microsoft Office SharePoint Conference 2008」中のBill Gates氏による基調講演での一幕。「SharePoint」はMicrosoft Officeの中核製品の1つであり、コンテンツリポジトリとしてOffice文書や各種メディアファイルなどを格納し、ユーザ間で共有しつつ、コラボレーションを行うためのソフトウェア製品だ。同氏の基調講演では、SharePointを含むMicrosoft製品をどのようにビジネスに活用し、そのメリットを享受していくかについての説明が行われた。講演の最後の20分間に用意されたオープンQ&Aの中で、来場者の質問への回答が冒頭の発言である。

思わず言っちゃった?! - 米Microsoft会長のBill Gates氏(CES 2008にて撮影)

来場者はSharePointのオンラインサービスに関して質問したが、その中で競合として、Googleが2月7日(現地時間)にアナウンスしたばかりの「Google Team Edition」を引き合いに出した。質問の趣旨は、SharePointのほうが優れているとは思うものの、Microsoftが今後こうしたライバルについてどう立ち回るかについてGates氏の考えを聞こうというものだ。

Gates氏は回答の中でSharePointの役割や特徴を紹介しつつ、いかにビジネスニーズを汲み取るかにMicrosoftが注力しているかを強調した。そのうえでGoogleに関して、冒頭のようなコメントを発している。

「Googleに関して特に強調するわけではないが、ビジネスで求められる特別なニーズを彼らが理解しているとは思えない。今日の同社のビジネスモデルはコンシューマでの検索サービスをベースとしており、この分野では突出した業績を上げている。またいうまでもなく、われわれはこの分野での挑戦に投資を続けている段階であり、今日よりもさらに競争力をつけ、成長しようとしている。もしGoogleのツールが生産性といった種類のニーズを満たしていると考えているのなら、それは本当の意味での豊かさや期待に応えるものではないだろう。これらGoogleの製品の多くは、ぶっちゃけてしまえば、その製品の発表は彼らの都合のいい日を選んで行っているに過ぎない。それだけの話だ」(Gates氏)

Gates氏は上記のコメントの後に「偏見があるかもしれない」と自戒しつつ、Microsoftがユーザのニーズの視点に立っている一方で、ライバルがどのような視点で動いているのかと、自身の考えを述べている。また同時に「選択肢が多数あるのは良いこと」との見解も示しており、ライバルが切磋琢磨する状況を歓迎するスタンスのようだ。