ふさふさの髭がトレードマークの"David I"ことDavid Intersimone氏。肩書きはCodeGear Vice President, Developer Relations and Chief Evangelist

「開発者向けのツールを開発している。我々はこの2年間、Borland Softwareの開発ツールを手がけるチームとして"CodeGear from Borland"として活動してきた。ユーザがCodeGearはBorlandと同じなんだと理解してほしいということでこうした取り組みを続けている」と、CodeGear Vice President, Developer Relations and Chief Evangelist, David Intersimone氏。

"David I"の愛称で知られる同氏は、もう20年以上、Borland Softwareで開発者向けの開発環境を開発し続けている。今ではCodeGearのVice Presidentを務めるギークな開発者だ。CodeGearは2年前にBorland Softwareから分離した事業部。2年前、Borland Softwareは事業をライフサイクルマネージメントに注力するため開発部門をCodeGearとして別事業としてスピンアウトした。Borland Softwareの濃い開発の血筋が濃厚につまった事業部、それがCodeGearだ。

事業部という扱いになっているが、会計報告は別途計上している。経営もCodeGear単独で進めており、戦略も開発も独立している。つまり法律上はひとつの企業だが、今にでも別会社としてスピンアウトしてもやっていける別組織だ。CodeGearとして会計報告されているため、同事業の会計状況や将来性が明確に把握できるようになっている。

Eclipse IDEやNetBeans IDEが勢力を強めていた時期だっただけに、CodeGearへ開発事業部分離の原因を邪推してしまうわけだが、David Iはケラケラ笑いながらそんなことはない様子を示してくれた。「ソフトウェア開発だけに注力できるということで満足だ。我々自身が開発者だしね」

Borland SoftwareとCodeGearが注力する分野は顧客が異なる。Borland Softwareが注力するライフサイクルマネジメントは大手企業を相手とするエンタープライズ事業だが、CodeGearが対象とするのは開発者でもっと個人顧客へのフォーカスが強くなる。こうした異なる事業を円滑に進めるための分離というわけだ。ビジネスで成功するにはフォーカスが重要だ。最初、顧客はどうなるかを知りたがったが、分離後に混乱はなかったという。とくにこの2年間の取り組みで、同判断が正しかったことを証明できたとしている。

CodeGearが将来的にはスピンアウトして事業部から会社へ転進するかどうかだが、今のところはなんとも言えない。社会保障的な利点もあり、分離することが必ずしも良いとはかぎらないからだ。すでに経営も人事も開発も分離しており、すぐにスピンアウトできるようにはなっているが、別会社というソリューションがかならずしもベストというわけでもないわけだ。「いずれにしても我々はビジネスを前に推し進める。将来へ向けた研究開発も行っている」(Intersimone氏)