警察庁はこのほど、「出会い系サイト」に関連した事件の2007年の検挙状況について発表した。発表によると、出会い系サイト規制法で禁止されている、性行為や金銭の提供を持ちかけて18歳未満の児童・生徒との交際を誘う「不正誘引」の検挙数122件のうち、半分にあたる61件が、児童・生徒側からの誘いであることが分かった。
出会い系サイト規制法の正式名称は、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」で、2003年に施行された。同法で禁じられている不正誘引の違反行為をすると、100万円以下の罰金が科せられる。
今回の不正誘引の検挙数は、2006年の47件に比べて2.6倍にもなっている。またこのうち、18歳未満の児童・生徒から誘ったのは61件で、2006年の18件に比べて3倍超と急増、出会い系サイトでは児童・生徒から誘いかけるケースが少なくないという、深刻な事態を見せ付ける結果となった。
また、出会い系サイトに関連して被害に遭った人は1,297人で前年に比べ90人減少した。このうち、18歳未満の児童・生徒の被害者は1,100人で全体の84.8%を占め、被害者の中に占める児童・生徒の割合は依然として高い。さらに見ると、児童・生徒の被害者数のうち、女子が占める割合は99.7%となっており、被害に遭う児童・生徒のほとんどが女子児童・生徒であることが分かっている。
こうした事態を受け、警察庁は、同サイトに対する規制を強化する方針。具体的には、同サイト事業者が18歳未満の書き込みを知った場合、書き込みを削除するよう義務付けるほか、現在はあまり機能していない年齢確認方法を強化することなどを検討しており、出会い系サイト規制法の改正案を今国会に提出する予定だ。