日本ヒューレット・パッカードは20日、仮想化/自動化技術を活用した開発およびテスト環境向けインフラソリューション「HP Shared Service Utilitiy(以下、HP SSU)サービス」を提供開始した。SIerなどのソフトウェア開発をメイン業務とする顧客に対し、そのリクエストに応じたサーバ環境をインフラプールとして提供、1、2日で利用可能なシステムを構築するサービスで、開発期間を大幅に短縮できるメリットをもつ。
HP SSUサービスは以下の3つのコンポーネントから構成される。
- リソースプール…ITリソース(ハードウェア、OS、ミドルウェア)をプールする環境
- 仮想化ソフトウェア…HP Virtual System Environment、VMware ESX
- 運用ポータル…Webベースのシステム構成要求ツール
同サービスは、顧客側のITリソースを仮想化ソフトウェアで統合し、開発に必要な環境を迅速に整え、開発期間の短縮とインフラの維持コスト低減を図るソリューション。新規開発のたびに物理的にサーバ/システムを調達する必要がなくなり、開発が終了した時点で速やかに環境を削除できる。環境の再利用も簡単だ。つまり、必要なときに必要なだけのITインフラを提供する「リクエストベース」のサービスといえる。プロジェクトごとにシステムを用意/返却する必要もなく、また自動化によりインフラ担当者の環境準備の負担も激減するという。
HP SSU導入前。新規開発案件ごとにテストサーバなどを手配しなければならず、開発までに時間もかかり、IT担当者の負担も大きい |
HP SSU導入後。開発担当者もIT担当者もHP SSUポータルを通して承認/認証してもらえばよいだけなので、大幅に時間が短縮され、結果として開発の生産性が向上する |
日本HP コンサルティング・インテグレーション統括本部 ソリューション戦略本部 第2部 部長 内田恵氏によれば、「環境にもよるが、新規開発時おいて、(ITインフラの)利用申請から利用承認まで数週間から数カ月かかった期間を、1、2日に短縮できる」ため、SIerや金融サービスなど、「つねに開発プロジェクトがフル稼働しているような環境」に最適だという。また、同社では中国・大連のオフショアサイトにおいて同サービスのベースとなったシステムを構築し、約300台の仮想環境をラック3台分のシステムに集約、HP-UXサーバ13台を1日で配備するなどの実績を上げたという。
対応OSはWindows、Linux、HP-UXの3種類。価格は顧客ごとの見積もり価格となり、導入に要する期間はヒアリングから運用引き継ぎまで約4 - 5カ月ほど。初年度は約20件の受注を目指す。