自動車における電子システムの国内標準化団体であるJasParとドイツの自動車メーカを中心とする標準化団体AUTOSARは、両団体が協力して自動車用ソフトウエアの国際標準化を目指すと表明した。これはドイツで行われたAUTOSARボード会議で発表されたもので、今後は独Boschとトヨタ自動車が両団体の窓口として協力関係を築いていく。
これまでも両団体はさまざまな部分で協力を行っている。JasParでは、AUTOSARが公開した仕様やそれをもとにしたベーシックソフトウェアを評価して、その一部をJasParの仕様にも取り入れている。
今後はさらに、JasPar側から仕様に対する課題の抽出や独自要件の提案なども行っていく。また、両団体が共同でソフトウェアプラットフォーム仕様を構築し、自動車用ソフトウェアの国際標準化を推進していく。
JasParによると、欧州の自動車メーカでは今年から来年にかけて、量産車両の一部電子制御部品にAUTOSAR準拠ソフトウェアを採用する見込み。日本の自動車メーカの動向については明確ではないが、早いところでは2010年を目処にJasPar仕様のソフトウェアを搭載する予定という。
JasPar(Japan Automotive Software Platform and Architecture)は、自動車のECU(電子制御ユニット)用のソフトウェアや、車載ネットワーク規格の標準化推進団体である。トヨタ自動車や日産自動車、豊通エレクトロニクス、本田技術研究所、デンソーといった国内の自動車メーカや自動車電子部品関連メーカで組織されている。
AUTOSAR(Automotive Open System Architecture)は、自動車用ソフトウェアの部品化および共通化を目的とした団体。ドイツのDaimlerChryslerやBMW AG、Robert Bosch GmbHなどが中心になり設立。ドイツ国外のメーカも参加している。