独SAP傘下の仏Business Objects(BO)は2月12日(現地時間)、同社主力BIプラットフォームの新バージョン「BusinessObjects XI 3.0」を発表した。アップデートの内容は多岐にわたるが、その最大の特徴は、BIの分析対象としてRDBMSなどの定型データだけでなく、電子メールやオフィス文書などのテキスト文書解析機能を備えた点にある。同社は2007年5月に米InXightらテキスト解析技術を持つ企業を買収しており、そうした技術が新バージョンで強化・統合されてリリースされたことになる。BOによれば「テキスト解析が統合された唯一で初のBI製品」だという。

新バージョンに含まれるツール群は下記の通り。

  • Crystal Reports 2008(レポーティングツール)
  • Web Intelligence(クエリー/レポート/解析ツール、非SAP環境やオフライン状態でも動作可能)
  • Xcelsius 2008(ダッシュボード用のビジュアルツール)
  • Polestar(シンプルさと高速動作の特徴を持つQ&A方式の新しい解析ツール)
  • BI Widgets(デスクトップ上に配置可能なBIウィジェット)
  • Voyager(OLAPツール)
  • Mobile(携帯電話等からのリモートアクセス用のツール)
  • Live Office(Microsoft Office文書のデータの更新やデータの抜き出しを行うツール)
  • Dashboard Builder(ダッシュボードの配置やUIの作成ツール)

このほか、SAPのBO買収に合わせ、SAPの各アプリケーションとの統合やメタデータ取り扱いなどが大幅に強化されている。またユーザーはBusinessObjects Data Services(Data Integrator / Data Quality)を組み合わせることで、既存のデータ資産をBI解析に最適な形に変換し、有効活用することが可能になる。

BusinessObjects XI 3.0の提供時期は2008年第1四半期を予定しており、同バージョンのコンポーネントのうち、MobileとPolestarは2008年末での提供予定となっている。