XenSourceは16日 (米国時間)、仮想化ソフトウェア「Xen 3.2.0」をリリースした。ソースコードは、「Mercurial (hg) Repositories Browser」経由でダウンロード可能。現時点では、バイナリパッケージの提供は開始されていない。
Xen 3.2では、新しいセキュリティフレームワーク「Xen Security Module (XSM)」を追加。XSMを利用することで、LinuxにおけるLSM (Linux Security Model) のように、新しいセキュリティ機構を仮想マシンモニタのモジュールとして実装できるようになる。
ホストOSにおいて「ACPI Suspend to RAM (ACPI S3)」に対応、システムやアプリケーションを再起動することなく、前回の作業をDRAMから再現することが可能になった。ほかにも、完全仮想化ゲストOS用の機能として、VGAエミュレーションの高速化や設定可能なタイマーの追加が行われている。
開発途上の機能として、Intel / AMD製CPUのI/O仮想化機能を利用した「PCIパススルー」が追加された。x86のリアルモードをフルエミュレーションすることにより、完全仮想化ゲストOSが使うさまざまな種類のブートローダも実験的にサポートされている。
仮想化ソフトウェアのXenには、商業ベースのXenServer Enterprise Edition (XenServer EE)とオープンソース版の2種類がある。XenServer EEでは、ゲストOSがWindowsのときI/Oを高速化する専用のドライバや、仮想マシン管理ツールが提供されるが、オープンソース版にそのようなベネフィットは含まれない。