日本オラクルは11日、顧客志向の付加価値サービスとして提供している「Oracle Advanced Customer Services」(ACS)を、従来から提供していた「Oracle E-Business Suite」に加えて新たに「Sieble」製品および「PeopleSoft」製品も対象に含める形で拡充することを発表した。
ACSでは、ユーザー企業が抱える「独自の運用・管理に対する漠然とした不安」「該当する技術情報を検索するのが困難」「カットオーバー後の混乱を回避したい」といった状況に対応し、「オラクル自身のサービスによる安心できる運用の実現」「オラクルからの情報提供でプロアクティブに情報提供」「システム要件定義からカバーする運用コンサルティング」といった解決策を提供する。
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日本オラクル カスタマーサービス統括本部 アドバンストカスタマーサービス本部 本部長 富部哲也氏 |
説明を行った同社のカスタマーサービス統括本部 アドバンストカスタマーサービス本部 本部長の富部哲也氏は、Oracle ACSを「業務継続のための付加価値サービス」とし、「餅は餅屋」という表現で、製品開発元であるオラクル自身がサービスを提供することを意義を強調した。
パッケージとして用意されるメニューは、「Solution Support Center」「Business Critical Assistance」に加え、「Priority Service」「Assisted Services」「Technical Account Managemnet」「Application Expert Services」など。従来の対象範囲だったOracle Database、Oracle E-Business Suiteに加えてSiebel CRMやPeopleSoft Enterpriseが含まれるようになったことで、ユーザー企業により包括的なサービスを提供できるようになった。富部氏はOracle ACSのゴールとして「Oracleを使用するすべてのミッションクリティカルなシステムに」という目標を掲げる。
運用管理をカバーするサービスであり、年間契約を基本とするが、メニューによってはスポット契約で提供されるサービスもある。
同日付で発表された日揮情報システムによる同サービスの導入事例では、「Oracle E-Business Suite R11.0.3」から「同11i.10」へのアップグレードの際に同サービスが利用され、実稼働日で12日間でアップグレードが完了したという。ソフトウェアの機能強化や、ガバナンス強化やコンプライアンスの観点から新バージョンへの移行が必要になった場合に、運用中のシステムにトラブルを起こすことなく安全迅速にバージョンアップを実行することはシステム規模が大きくなると特に困難な作業となる。ACSではこうした場合にもスポット的に支援を受けることができるわけで、同社製品を中核業務に活用しているユーザーにとっては有用なサービスとなるだろう。