米Microsoft主催のハードウェア開発者カンファレンス「Windows Hardware Engineering Conference(WinHEC) 2008」の開催日が2008年秋に延期されたことが、同社の発表で明らかになった。通常、WinHECは毎年3 - 5月ごろの春の時期に開催されており、今回の発表で半年ほどスケジュールがずれたことになる。Microsoftでは、業界からのフィードバックを受けての措置だと説明しており、変更後のスケジュールならびに開催地(米国西海岸のいずれかの都市)を決定しだいアナウンスする予定だという。

Microsoftはターゲットの開発者に合わせて複数種類のカンファレンスを毎年世界中で開催しているが、中でもデバイスドライバや周辺ハードウェアの設計を行う技術者向けの「WinHEC」と、最新のソフトウェア技術のプレビューを行う「Professional Developers Conference(PDC)」の2つは特にコアな技術者をターゲットにしており、特別な存在だといえる。毎年開催されているWinHECに対し、PDCは隔年での開催が一般的だ。だが2005年開催のPDC 05に続くPDC 07はイベント自体がキャンセルされ、2008年以降のいずれかの時期にスケジュールが再設定されることが予定されている。WinHEC 2008の開催が秋にずれ込んだことで、PDCの開催は2009年以降となる可能性が高くなった。

WinHEC 2008延期による影響の1つは、Microsoftの将来的な技術ロードマップの公開が遅れることにある。これまで同社はPDCやWinHECなどのイベントで定期的に技術者や業界関係者に最新ロードマップのアップデートを行っており、これを参考にユーザーは製品導入計画を練ることができた。だがPDCキャンセルやWinHEC延期が立て続けに発表されたことで、2008年2月末に予定されているWindows Server 2008のローンチ以降、具体的な製品ロードマップが見えていない状況が続いている。同社は2007年6月に米フロリダ州オーランドで開催された「TechEd 2007」で「将来のビジョンを語るのは止める」と宣言しており、よりロードマップの不透明感に拍車がかかっている。