Piech氏は、「WebLogic Real Time」「WebLogic Event Server」「WebLogic Virtualization」といった、その他のWebLogic製品群についても概要および今後の予定を説明した。以下、各製品について見ていこう
WebLogic Real Time
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WebLogic Real Timeは、その名のとおり、応答時間を保証するミドルウェアだ。「Deterministic Garbage Collection」という技術により極めて高いスループットを実現しており、証券システムや軍事システムなど、高速な処理が求められるシステムでの利用が想定されている。
次期版に当たるWebLogic Real Time 3.0では、最低応答時間が1ミリ秒、平均応答時間が数マイクロ秒というパフォーマンスを実現するという。現在の最新版であるWebLogic Real Time 2.0が、最低応答時間が10ミリ秒、平均応答時間が1ミリ秒であることを考えると、実に約10倍も性能を向上させたことになる。
WebLogic Event Server
WebLogic Event Serverは、今年5月にリリースされたばかりの製品。イベント駆動型のSOAを実現するためのサーバで、通常のSOAがRequest/Reply型のメッセージ交換になるのに対し、Publish/Subscribe型のやりとりが行える。
同製品では、CEP(Complex Event Processing) Engineと呼ばれる実行環境を搭載しており、複数のイベントに起因して実行される"複合イベント"を高速に処理できるほか、EPL(Event Processing Language)という、SQLベースのイベント定義言語も提供している。
なお、前述のWebLogic Real Time等と組み合わせれば、毎秒50,000件以上のイベント処理を実現できるという。
WebLogic Server Virtual Edition
BEAでは、現在普及が進む仮想化技術への対応も強く進めている。その筆頭として挙げられる製品がWebLogic Server Virtual Editionだ。同製品では、Liquid VMと呼ばれる仮想マシンを使用しており、これによりHypervisor上で(OSを介さずに直接)複数のWebLogic Serverを実行することができるという。OSを介さない分、リソース消費量を低減させることが可能で、サーバ台数の削減につながるという。
また、これに併せて、同社が提供している「WebLogic Liquid Operation Control」を導入すれば、複数のサーバ(ハードウェア)間でアプリケーションの受け渡しを行えるようになるという。例えば、一方のサーバにアクセスが集中して負荷が偏った際に、他方のサーバに一部のアプリケーションを移して実行するといったことが自動的に行える。リソースの空き状況に応じて最適なサーバが選ばれるため、限られたリソースの中で最大限のパフォーマンスを発揮できるようになるわけだ。