セイコーインスツルからビジネスパーソンとエンジニア向けの電子辞書SR-G8000が発売になりました。そこで、編集部から依頼を受け、ビジネスパーソンでありエンジニアでもある私が試用してみました。私が日常使っているのは同じくセイコーインスルツルのSR-E10000という2年前の機種です。両機種を収録辞書と機能の2つの面で比較してみます。

10月上旬から発売の「SR-G8000」は全部で37のコンテンツを搭載したエンジニア/ビジネスパーソン向けの電子辞書。閉じた状態のサイズは、幅142.3mm×奥行109.5mm×厚さ 最薄部9.5mm/最厚部25.0mm、希望小売価格は5万7,000円

SR-G8000はSR-G10000、SR-G9000の廉価版という位置付けで、辞書としての機能は同等ですが、搭載辞書に特徴があります。機能は同等とはいっても最近の電子辞書を知らない私には驚きの機能が搭載されていました。

電子辞書はなんといっても搭載辞書が選ぶ際の最大のポイントです。つまり「自分の目的に合った辞書が入っているか」です。私の持っているSR-E10000は英語の専門家向けという位置付けのため英語関連辞書が重視されているのですが、SR-G8000は英語を学習ではなく、仕事で使う際に便利な辞書が主に搭載されています。基本となる英和/和英は「ジーニアス英和大辞典」と「プログレッシブ和英中辞典」となっており、英語オタクでもないかぎり、これらで問題ありません。

エンジニア向けということで特徴的な辞書として、まずは「180万語対訳大辞典 科学・医学・工学・農学・化学・ビジネス」が入っており、これらの分野の専門用語を網羅しています。「ビジネス技術実用英和大辞典」「ビジネス技術実用和英大辞典」はプロの翻訳家の間でも有名な辞書で、英語表現がたくさん載っています。特許や技術文書を読む方には「180万語対訳大辞典」と「ビジネス技術実用英和・和英大辞典」が強い味方となるでしょう。

私も最近、英語で電子メールを書く機会があるのですが、あれは日本語で書いた文章を英訳してはいけません。正しい英文メールを部分的に借りながら(これを"借文"といいます)英文メールを作っていくのが正しいやり方です。そのために使える辞書として「説得できる英文Eメール 200の鉄則」という書籍が収録されています。この本で英文メールの基本を学びましょう。

最後の難関が英会話です。英会話対策としてはあらかじめ決まり文句を覚えておくのが有効です。英語にはある程度決まった言い方があるのでそれらは覚えるしかありません。そんな時役に立つのが「英会話ビジネスひとこと辞典」です。これも書籍が収録されているのですが、ビジネスで使う基本的な文章が網羅されています。初心者向けの内容なので、英語に自信のない方はこれから始めてみてはいかがでしょうか。もう1つ「この一言ですべてが伝わる! ビジネス英語の最強フレーズ」という書籍も収録されており、こちらは上級者向けのフレーズが載っています。暇なときに読むとためになります。

最後に「NHK出版 やさしいビジネス英語 実用フレーズ辞典」が収録されているのは個人的にはうれしいです。NHKラジオで放送中のやさしいビジネス英語のフレーズが書籍になったものが収録されています。杉田先生ファンの方はマストバイでしょう。