松下電器では、この間の同プロジェクトの推進に関わる資金的支援を行うことになる。

松下電器は、2000年から2005年まで、有明海での保全を基盤として、東アジア海域における長期・国際自然保護を行う「有明海プロジェクト」に参画。WWFジャパンを支援してきた経緯がある。この経験を同プロジェクトに生かすほか、黄海沿岸には松下クループの生産拠点が集中しており、全社をあげた環境保全活動への取り組みにもつなげたい考えだ。

松下電器産業環境本部環境企画グループ 中村昭グループマネージャー

松下電器産業環境本部環境企画グループ 中村昭グループマネージャーは、「黄海エコリージョン支援プロジェクトの対象地域には、当社の生産拠点が約50カ所ある。また、当グループにおける全世界でのCO2排出量は微減傾向にあるものの、日本・中国の排出量比率が上昇傾向にある。各生産拠点における環境意識の向上、各拠点どうしが連携した環境活動などの取り組みが不可欠。だが、こうした活動は、経験や知識、ノウハウがない個別の企業体での活動は難しく、今回のような支援体制をとった。生物多様性および自然保護に対する、企業としての取り組みを探求するとともに、真の環境社会貢献活動を追求していくことを目指す。また、グローバルな環境活動に向けた社員の理解と協力を高めることで、環境経営の推進にもつながると考えている」とした。

同社では、環境行動計画「GP(グリーンプラン)2010」を掲げ、「新たなくらし価値創造」「グリーンファクトリー」「グリーンプロダクツ」「製品リサイクル」などの9分野において、2010年度を目標年度に、約50項目の環境関連行動指針を示している。

一方、同社では、今回の黄海エコリージョン支援プロジェクトの発表とともに、松下グループにおけるグリーン購入の範囲を、紙にまで拡大。新たに「紙/印刷物におけるグリーン購入方針」を策定した。

同社では、従来から古紙重視のグリーン購入を実施してきたが、同社が使用するコピー用紙だけでなく、カタログや取扱説明書、社外配布物などの印刷物も対象に、紙の購入や印刷発注におけるガイドラインを定めて運用することにした。

「使用する印刷物全般における環境負荷低減まで視野に入れたものとなっており、紙を購入する立場で、基準を設けるのは先駆的な取り組みといえる。資源の有効利用ばかりでなく、有害物質の削減、森林生態系保護の観点からも、経済、環境、社会の側面に配慮した購入活動を行っていく」(中村グループマネージャー)としている。