地図情報サービスのオランダTele Atlasはこのほど、中国向けデジタルマップ「Tele Atlas MultiNet China」を発表した。現時点で中国を対象とした最も詳しいデジタルマップといい、同国の3,000余りの省級、市級、県級都市をカバーし、データ内容は街道級までカバーしている。

Tele Atlasは、瑞図万方科技の子会社である北京長地万方科技との提携により、香港やマカオを含む中国の全都市や地区、合計100万キロメートルのナビゲーションデータと260万件のPOI (points of interest)を、デジタルマップデータベースに満遍なく盛り込む段階にまでこぎつけたという。

Tele Atlasは、ナビゲーション技術や位置ソリューションをベースにした電子地図と動的コンテンツのサプライヤーだが、Tele Atlas MultiNet Chinaに合わせ、上海で地図表示技術センター(Display Technology Center)を設立したことも発表した。今後は、アジア太平洋地区の3D都市地図や交差点拡大図の提供に力を入れていくとしている。

テレマティクス(移動体と通信システムを組み合わせたリアルタイム情報サービス)の市場調査を手がけるTelematics Research Groupの総裁兼創始者の1人であるPhil Magney氏は、「我々の最新研究結果によれば、中国のカーナビゲーション市場は、2005年の8万台から2012年には150万台規模にまで成長する。ハイエンド市場である個人向けナビゲーションデバイス(PND)も今後の急成長が見込まれ、2006年の22万台から2012年には280万台規模にまで成長すると予測される」と述べている。

また、米調査会社iSuppliによれば、GPS携帯電話の中国国内の販売台数は、平均販売価格(ASP)の降下にともない、2011年には今年の10倍以上にあたる1,650万個に達する見込み。