近鉄エクスプレス(KWE: Kintetsu World Express)は、国際物流を主業務とする"フォワーダー"だ。聞き慣れない言葉だが、フォワーダーとは航空機や船舶といった輸送手段は自社保有せず、航空会社などから積載スペースを購入し、自社の顧客から集めた貨物を購入したスペースに混載、輸送する形態の物流事業者である。
KWEは、昨年度決算での売上高2,899億円、単体で1,036名、連結で7,510名の従業員を擁する企業で、全世界273カ所/30カ国に拠点を置く。特に最近力を入れているのは中国で、中国国内にすでに107拠点を配置しているという。これは、日系の物流会社としては最大級の展開だそうだ。また、ロシア、インドにも注力しているという。実際に輸送しているのは、電子部品など、付加価値が高く比較的軽いモノが中心だ。海上輸送では、展示会関連や飛行機で運べない巨大装置なども運搬するが、基本的には9割以上がコンテナに入れて輸送される貨物だという。今回は、同社の開発部 新市場開発センター所長の中田雅宏氏に、同社での「WebEx Meeting Center」の活用の実態について聞いた。
KWE開発部の業務
近鉄エクスプレス 開発部 新市場開発センター所長 日本政府パビリオン・プロジェクトマネージャー 中田雅宏氏 |
KWE開発部の主な仕事は、新市場を開拓することだという。中田氏は、同社が分類される「フォワーダー」は、最近は"Logistics Service Provider"と呼ばれるようになってきたのだという。「モノを運ぶ/保管する」が現業となるが、開発部はこうした現業とはちょっと離れ、新市場開拓を主業務とするという。現在開発部には、SCM(Supply Chain Management)に関する現状調査から提案までのコンサルティングを行い、「新しいモノの流し方、管理の仕方」を提案するグループ、グローバル企業大手に専任で対応し、点と点での付き合いではなく、面と面のサービスを提供するグローバルアカウントのグループ、そして新市場開発センターの3つの部門があるという。
新市場開発センターでは、中国、ロシア、インドといった地理的な意味での新市場だけではなく、新たな商材/サービスの開発も行う。たとえば、同社が提供する「フラワー・ロジスティクス」では、アフリカのケニアから生花を日本に輸送している。従来はアフリカからの輸送は時間がかかり、生花の鮮度が落ちて品質を維持するのが難しかったが、ロジスティックスの工夫によってリードタイムを短縮し、品質を維持して輸送することに成功した結果、新たなビジネスとして立ち上がったものだ。これは、新市場開発センターで中田氏が手がけたものだという。