![]() |
カスタマーソリューション技術本部 IPグループ マネージャー・田中厚氏 |
日本アルカテル・ルーセント(以下、アルカテル)は22日、同社の高可用性を実現するネットワーク技術に関するプレス向け説明会を実施。HA(High Availability、高信頼性)の説明および同技術を採用した通信キャリア向けサービスルーターのデモンストレーションなどが行われた。
アルカテル IPグループの田中厚氏によると、HAは従来、ミッションクリティカルな金融サービスなどでの需要が高かったが、現在は映像や音声配信といったIPサービスでこそ必要不可欠なものとなっているという。すでにデータ、映像、音声をひとつのネットワークで提供するトリプルプレイサービスは通信キャリアの重要な収入源となっており、システムダウン時の損失額は莫大になる。そのため、通信停止時間を極力短縮するためにも、HAによるノンストップ・ルーティングやノンストップ・サービスへの需要が高まっているというわけだ。また、圧縮効率の高い最新映像技術では、1パケットの欠落が、QoE(Quality of Experience、体感品質)を大きく左右する。HAはハイビジョン放送を含めた放送品質を維持するためにも欠かせない技術となっている。
アルカテルでは、99.999%の稼働率(年間ダウンタイムが5分以内)を実現する「7750 SR」や「7450 ESS」など、HAに対応する6種類のサービスルーターをラインアップ。HAを実現する機能として、RSVP-TEステート(インターフェース、隣接ノード、セッション情報)を維持したまま、コントロールプレーンのスイッチオーバーへ対応する機能などを搭載している。
デモでは、マルチキャスト配信サーバーからの映像配信中にマネジメントモジュールを停止。他社製品を利用した環境では30秒ほど映像が途絶えたのに対し、アルカテル製品を導入した環境ではエンドユーザーに影響を与えることなく映像を配信し続け、自社製品の優位性をアピールした。