米Hewlett-Packardは16日(現地時間)、同社会計年度で2007年第3四半期(5月1日 - 7月31日)の決算を発表した。同四半期の総売上は前年同期比16%増の254億ドル、純利益は前年同期比29%増の18億ドルと、大幅な増収増益となった。「これほどビジネスが好調なのは2000年以来だ」と同社CEOのMark Hurd氏に言わしめるほど高い数字を挙げられたのは、絶好調のPC事業に加え、同社のオペレーションが世界規模でうまく展開されてきたことによるものだ。今回の決算を受け、2007年度の「年間総売上1,000億ドル突破」も見えてきたようだ。

同四半期の同社の事業を牽引してきたのは、間違いなく前年同期比29%増、前期比24%増の89億ドルを記録したPC事業だ。とくにノートPCおよびコンシューマ向け製品が非常に好調で、いずれも前年比54%増、46%増となっている。

また全世界レベルで高い収益を上げることができたのも特筆すべきだろう。米国、欧州・中東、アジア・パシフィックでそれぞれ増収となっているが、とくにアジア・パシフィックで前年比22%増という高い伸び率を示している。またBRIC(ブラジル、ロシア、インド、中国)諸国への出荷が非常に増えており、これらの国々での売上は前年比35%増、同社の同四半期売上の8%を占めるという。

サーバ/ストレージ分野ではx86ブレードサーバの需要が大幅に増え、前年同期比81%増という伸び率を示しているが、サーバ/ストレージ事業全体の売上は前年比10%増の45億ドルに留まっている。

ハードウェア事業に比して、規模が小さい感の否めないソフトウェア事業だが、売上は前年比74%増の5億5,400万ドルと大きく増えている。7月にはデータセンタ管理ソフトウェアの開発企業Opswareを買収するなど、今後はより積極的にソフトウェア事業への強化を図りたいとする。

2005年、CEOに就任してすぐにHurd氏が行った1万5,000人規模の大リストラは今でも業界の語り草になっているが、それ以降、PC事業をはじめとする同社の事業は順調な成長を続けており、今回の決算で名実ともにIBMと並ぶ世界No.1のITベンダになったと言えそうだ。好調だった第3四半期を受け、同社では今期(2007年第4四半期、8月 - 10月)の総売上を270-272億ドルと見積もっており、2007年度全体で「1,030億ドル前後」(同社)の売上を目指す。