中国の大手ポータルサイトであるTOM在線(TOMオンライン)はこのほど、新世代ポータルとされる「任務中国」と正式に提携、7月上旬から任務中国が主催する夏休み期間中のインターンシップキャンペーン「大学生暑暇網絡実習活動」に参加していることを明らかにした。
TOM在線は上記キャンペーンに、オンラインゲームデザイン、キャンペーン企画、アイデアデザイン、Flash制作など、計4種類27項目のインターンシップコンテンツを提供している。職務を完遂する優秀な大学生については、TOM在線が優先的に採用するとしている。これまでに、当該キャンペーンへのページビューは1万7,000人、参加者は1,000人を超えているという。
中国のIT人材市場においては、経験のある人材を巡る競争が日増しに激化してきている。中国の大卒争奪戦には「校園招聘(キャンパス・リクルート)」と、「実習(インターンシップ)」があり、インターンシップの方が、より早い時期に優秀な人材を発見し、獲得できる機会が多いとされている。
TOM在線もこうしたメリットに着目し、参入してきたと考えられる。同社は、インターンシップでは参加者の出身地など、エントリー資格に一切制限を設けず、大学生にその才能を自由に、かつ十分に発揮できる機会を与えたいとしている。参加者から優秀な人材を発掘し、インターンシップ終了後、直ちにトレーニングを展開すれば、時間や人手、経費などを大幅に節約できるとTOM在線は強調している。
TOM在線と任務中国の両社は、キャンペーン参加者にインターンシップの証明書を発行することにしている。大学側の実習に対する要求に応えるだけではなく、求職活動をする大学生にとっても企業から直接評価される材料となり、双方ともメリットを享受できる仕組みといえそうだ。
任務中国は、2006年9月に設立されたインターネットの人材市場とも言えるポータルサイト。懸賞金付きの「任務」を公開し、挑戦者を募るのが基本的なスタイルで、これまでに、Microsoft、百度、騰迅など,大手IT企業を含む多くの企業・個人が約9,000件もの求人案件を公開した。インターンシップにおけるIT人材争奪戦は、TOM在線の参入により、拍車がかかりそうだ。