ネットレイティングスは19日、2007年6月度のインターネット利用動向に関する結果をまとめた。

今回の調査では、年金記録問題で注目を集める社会保険庁のWebサイトの利用者数が前年同月比約5.7倍の225万人に急増。官公庁のWebサイトで通常上位を占める国土交通省(168万人)、厚生労働省(133万人)を抜き、社会保険庁がトップとなった。社会保険庁のWebサイトの利用者数は、年金記録漏れが発覚して以降に増加しており、2007年3月までは50万人未満だった月間利用者数が、5月には80万人となり、記録が更新されたばかりだった。

実際に利用されたコンテンツは、今回の年金記録問題に関する文書や広報資料を集めた特設ページの利用者が44万人。さらに、Webサイト上で年齢や加入期間を入力し、年金見込額の簡易試算ができるサービスの利用者は97万人で、利用者の数が最多だった。また、Webサイトで自身の年金加入記録を確認する手続きに必要なID/パスワードの発行申請や、実際の加入記録閲覧を行うページの利用者も87万人を数えた。17日の社会保険庁の発表によると、6月のID/パスワードの申請数は過去最高の50万5,836件で、申請ページ訪問者の大半が実際に申し込んだことになる。

利用者の年齢構成比では、1位40歳代(34.2%)、2位30歳代(25.9%)、3位50歳代(21.9%)。インターネット利用者全体における「40歳以上」の比率は半数以下だが、社会保険庁のWebサイトでは今回、全体の7割近くを占めたことになる。一方、20代以下の利用者はわずか5.2%にとどまり、若年層における関心の低さを示している。

今回の調査結果について、ネットレイティングス代表取締役社長兼チーフアナリストの萩原雅之氏は「自分の年金記録や見込み支給額を知る場合、社会保険事務所の窓口を訪ねる、相談の電話をかける、社会保険庁のホームページを利用するという3つの方法がある。今回のデータからは、インターネットを利用した情報確認に非常に高いニーズのあることがうかがえる。現在4週間かかるとされる加入記録閲覧ID発行の迅速化などによって利便性が高まれば、インターネットを使える環境にあるユーザーがより多く利用することとなり、不安の払拭、事務所窓口や電話相談の混雑緩和にもつながるはずだ」とコメントしている。