中国初のソフトウェア産業育成に関する地方条例「江蘇省軟件産業促進条例(江蘇ソフトウェア産業促進条例)」が1日付けで施行された。

同条例の目指すところは、江蘇省におけるソフトウェア産業全体の発展、とくに技術革新と競争力の増強。すでに5月30日、江蘇省第10次人民代表大会(江蘇省人大)常務委員会第30回会議で承認を受けていた。江蘇省人大は、同条例の施行で、ソフトウェア産業を優先順位第1位の産業として法的に位置づけることができたとしている。同条例は江蘇省内でソフトウェア開発、デザイン、生産、販売、関連サービスとトレーニング、アウトソーシングなどを行う企業に適用される。

同条例は、総則、人材保証、知的財産権保護、サポート措置、助成措置、附則の4章48条からなる。最も注目されているのは、ソフトウェア産業国際化の必要上からか、知的財産権保護を強調している点。同省の政府機関などが純正版ソフトウェアを使用することを義務付けているほか、住民に海賊版ソフトウェアの不使用と、摘発・取り締まりへの協力をも呼びかけている。人材流動化で頻発する企業秘密の漏洩、知的財産権の侵害などを抑制するため、ソフトウェア企業と労働者が秘密保持契約、競業禁止契約を締結すること、労働者が所属企業または前職企業に関する商業秘密を厳守することなどを義務付けている。

江蘇省の統計によれば、第十次5カ年計画期間中、ソフトウェア産業の年間成長率は70%以上だった。2006年のソフトウェア売上高は512億元で、全国第3位。江蘇省には南京、蘇州、無錫、常州という5つの国家級ソフトウェアパークがある。