NECは2日、ブログやSNSなどの、いわゆるCGMから抽出した有用な情報・評価をレポートする企業向けマーケティングサービス「eHyouban/マイニングサービス」の提供を開始した。類似キーワードを含む不要な記事やスパム記事の自動排除、ターゲットとするキーワードが含まれていない関連記事の抽出が可能。価格は、初期費用が160万円、月額費用が60万円から(基本サービスを3カ月契約した場合、消費税除く)。
eHyouban/マイニングサービスの基本サービスは、文脈マイニング技術を採用。これにより会社名や商材など、あらかじめ設定したキーワードについて、ブログやSNSに記載された肯定・否定意見の内容や、競合比較情報をグルーピング化する。また、設定したキーワードの関連発言量(出現頻度)の時系列推移をレポート形式で提供する。
上記の基本サービスに加え、各キーワードに対して機能、デザイン、価格、プロモーションなどの評価軸を設定し、レーダーチャートやマップ図形式でグラフ化したレポートを提供するサービスを導入したのが拡張サービス。これにより、それぞれの軸における発言量・評価内容などを多角的に分析することができるという。
プレミアムサービスでは、CGMを時系列で分析する「トピック時系列解析」技術により、企業の活動と消費者間の話題(トピック)の生成との関連性をレポートで提供する。ユーザが指定した評価軸にとらわれることなく、消費者の潜在的な話題を発見することができるという。
同サービスは、NECの中央研究所が開発した独自の技術を活用することにより、設定範囲外の不必要な記事を自動で排除するほか、ターゲットとするキーワードが掲載されていなくとも関連記事の抽出が可能になったという。同社では、従来のサービスに比べて約2倍のカバー率を実現したと自信をみせており、精度の高いCGM情報検索が可能になったとしている。
近年、インターネットユーザーによるCGMの拡大が続いており、2006年3月末時点でブログ利用者は約621万人、SNS利用者は約507万人まで膨れ上がった(総務省調べ)。同時に、企業活動のCGMにおける評価を迅速に把握し、様々なマーケティングに活用したいというニーズが高まっているという。こうした背景から、同社は企業ニーズに応える新サービスを提供していく考えだ。
また、同社では主に消費財を扱う企業を対象に販売活動を展開しており、今後3年間で100社への提供を見込んでいるという。