ヤフーは、オリコンDDと資本提携を伴う業務提携を締結することで合意した。オリコンDDはヤフーに第三者割当増資を実施し、ヤフーはオリコンDDの株式を10,300株(所有割合34.0%)を引き受ける。これにより、オリコンDDはヤフーの持分法適用会社となる。

オリコンDDはORICON STYLERANKING NEWSを運営するオリコンの全額出資会社。オリコンDDは、Yahoo!JAPANへのニュースコンテンツの配信や、ヤフーのADネットワークへの参加、ヤフーの広告ASPサービス導入など、良好な提携関係を構築してきた。

今回の提携により、オリコンDDはYahoo!JAPANへ配信するエンターテインメント記事の質・量を強化し、両社運営サイトの利用促進を図る。また、ヤフーはオリコンDDが既に加入しているADネットワークでの連携を強化するとともに、Yahoo!ウォレットのオンライン決済機能、Yahoo!JAPAN IDのログイン認証機能などを提供するサービスツールを、「ORICON STYLE」「RANKING NEWS」で活用することを検討していく。

ヤフーは6月15日に開催した「Yahoo!JAPAN パートナーカンファレンス 2007」において、Yahoo!JAPANの「ソーシャルメディア化」「エブリウェア化」「オープン化」の3本柱を軸に、事業に取り組むことを宣言。それぞれの戦略は密接に結びついたものだが、今回の提携は「オープン化」に基づいた施策であると考えられる。

オープン化戦略はYahoo!JAPAN IDの開放や、外部サイトにおけるYahoo!ウォレットの決済情報の活用などが検討されていた。

また、ソーシャルメディア化の観点では、Yahoo!JAPANは従来、自サイトへ集めたユーザを他サイトに飛ばさない傾向が強かったが、カンファレンスではこれを撤回。Yahoo!JAPAN内で閉じるのではなく、トラフィックをパートナーサイトに飛ばし、収益化を図りたい意向を示していた。

ヤフーの井上社長はカンファレンスで、Yahoo!サイトの利用活性化と、パートナーサイトを通じた顧客接点の拡大を全社戦略と規定していたが、今回の提携もこれに沿ったものといえそうだ。