Motorola Koreaは11日、韓国に進出40周年を迎えたことを発表した。

同社ではこの日、「Forty MOTO, Foever MOTO」というテーマで、800人以上の社員が参加して40周年の記念式を開催した。

現在、Motorola Koreaは、携帯電話や無線機の端末や、それらの関連機器、ネットワーク関連製品などを販売している。一般的には携帯電話メーカーとして有名であり、また長年韓国で事業を展開していることもあってか、同国にとっては大変親しみのある外資系企業の一社となっている。

半導体生産拠点として進出

Motorola Koreaが韓国に進出したのは1967年、Mototola 半導体事業本部の子会社として設立された。半導体生産を行う工場で社名も「MKL」だった。

そのMKLは、1984~1985年には韓国の電子輸出総額の10%を占めるほどまでの生産力を誇り、韓国経済に大きく寄与することとなった。投資にも積極的で、1997年にはソウル市郊外の坡州市に、半導体や通信機器の生産工場を建設、これを稼働させている。

ところが稼働から間もない1999年、坡州工場は米国本社の経営合理化策の影響で、台湾企業に売却されてしまう。Motorola Koreaも研究・開発拠点として事業を進めていく方針が立てられた。

当時の特筆すべき施策としては、同社が注力していたCDMA関連の技術開発のため、2000年には200人以上の研究要員を募集するなど大規模な人材補充を実施したことが挙げられる。同時に、1992年に変更されていた「Motorola半導体通信」という社名を、現在のMotorola Koreaに変更した。

核心事業の携帯電話

Motorola Koreaの核心事業の1つとなっている携帯電話は、アナログ時代に大変な人気を誇っていたが、CDMA方式ではそれが一転。存在感もいまひとつだ。

韓国におけるMotorola Koreaの占有率順位は、5社中4位程度となっており、1位、2位のSamsung電子やLG電子には及ばない。

その理由として、目立つヒット商品の不足が挙げられる。大ヒット作といえば、世界最初の折りたたみ式携帯電話として韓国でも大人気だった「StarTAC」と、2005年に販売された世界的なヒット作「RAZR」程度で、それ以外は「大ヒットとは言えないまでもそこそこ人気のある」程度の製品がいくつかあるくらいだ。

さらに同社は90年代、韓国で開始されたばかりのCDMA市場について、展望の見極めが遅れてしまったことも要因している。この間、Samsung電子やLG電子は韓国ユーザーの好みに合う携帯電話を開発し、大成功をおさめた。

このように携帯電話部門では苦戦が続くが、先端技術をいち早く取り入れる韓国市場を無視できるものではない。同社では2001年にデザイン関連の研究開発機関「Motorola Korea デザインセンター」を設立したほか、2005年には携帯電話メーカーのアピールテレコムを吸収合併し、技術力の確保を行っている。

当初、生産拠点として進出した同社が、今では研究・開発拠点となっているように、韓国がIT関連産業で発展するほどMotorola Koreaの役割も次第に大きくなっている。それに伴い研究開発事業を拡大させてはきたが、それでも国内企業に及ばない部分は多々あり、今後も継続した努力が必要となってきそうだ。