NECビッグローブは11日、「メールアウトソーシングサービス」を発表した。内部統制の強化を図る「メール保管・監査機能」が大きな特徴となり、迷惑メール対策やウイルス対策などと組み合わせて導入することが可能。ASP形式で提供されるサービスのため、メールシステムの導入にかかる初期費用の抑制と、BIGLOBEのデータセンターが代行する管理・運用コストの低減を実現するとしている。

同サービスは、高度化するセキュリティー対策や、複雑化するメールシステムの運用・管理を同社のデータセンター上で代行し、ASP形式で企業向けに提供する。メールシステムを「メール保管・監査」「メールウィルスチェック」「迷惑メールチェック」「メールボックス」の各機能ごとにコンポーネント化し、顧客企業のニーズに応じて必要なサービスを組み合わせて提供することが可能だ。

日本版SOX法(金融商品取引法)などの制定や、個人情報保護法の施行により、企業に対して内部統制の強化が求められている。しかしその一方で、日々の業務がIT無しでは遂行できなくなった現在、ITシステムの管理・運用に対しても厳しく内部統制の強化が求められている。社内外の情報が行き交うメールシステムも無縁ではない。

メールアウトソーシングサービスの「メール保管・監査」機能では、全ての送受信メールについて、メール保管ストレージに複製を保存する。これは何らかの問題が発生した場合に、メールが調査の対象となる場合があることも考慮しなければならないためだ。また、「外部へ発信するメールのみ保存」と条件付けをした上で、メール保管ストレージに複製を保存することも可能だ。

送受信されるメールは、メール監査機能で、メール内容のチェック、添付ファイルのチェックなどが行われる。例えば、「特定のキーワードが本文や添付ファイルに含まれる場合は、配送を保留」「添付ファイル付きのメールで、上司アドレスのCcがないものは配送を保留」「To、Ccのアドレス数が20以上なら削除」など、メール内容の検査と配送の制御も可能。そのほか、「期間」「アドレス」「件名」「サイズ」など、様々な条件でメール本文・添付ファイルを検索、内容を閲覧することができる。

問題発生時には、社内への報告、場合によっては法的開示を求められるケースもある。そのためのレポート機能も提供されており、様々な検索条件でデータを抽出、用途に沿ったレポートの作成が可能だという。

「迷惑メールチェック」では米Cloudmarkの迷惑メール判定エンジンを、「メールウィルスチェック」では米Symantecなどのパートナーと連携し、高度なセキュリティーサービスを実現したという。同社のデータセンター上にある、メールシステムを利用するため、自社でシステム構築する場合より大幅なコストダウンを図ることができる。

料金は、メールアカウント数500の場合で、「メールウィルスチェック機能」「迷惑メールチェック機能」がそれぞれ、初期費用20万円(税別、以下同)、月額費用16万円から。「メール保管・監査機能」の初期費用が150万円、月額費用36万円、「メールボックス機能」の初期費用が20万円、月額費用10万円。メールボックスは1アカウントにつき最大3GBまで利用することができる。