インターネット上で他人を誹謗中傷するような書き込み「アクプル(悪とReplyを組み合わせた言葉)」が大きな問題となっている韓国。名誉を傷つけるような書き込みをされた芸能人が、ネティズンを法廷に訴えるといった問題まで発生している。
こうしたアクプルに対し、良い書き込み「ソンプル(善+Reply、韓国語で善は"ソン"と読む)」を進んで書いていこうという趣旨の団体が発足し注目を浴びている。
「ソンプル書き込み 運動本部」は、ソンプルを書き込むことによってクリーンなインターネット環境を作ろうと立ち上げられた団体だ。「美しい言葉と文章とでなる、美しいインターネット」というスローガンの下、ソンプル書き込みのための活動を実践していく。
代表はソウルにある中央大学教授のミン・ピョンチョル氏だ。運動本部を作るきっかけとなったのが、同氏による講義の課題。その内容はアクプルに悩む芸能人10人のブログなどにソンプルを書くことだった。この時、770人の学生たちは「がんばれ」「気にしないで」などのソンプルを計5,700も書きこみ、この活動を通じて「アクプルは書かない方がいいことが分かった」とコメントする学生が出るなど一定の効果を上げることとなった。
この講義をきっかけに、アクプルの深刻さを痛感している芸能人などが参加し共同代表となって運動本部を立ち上げたのである。
同運動本部の立ち上げとともにWebサイトも開設され、ソンプルを書いていこうと呼びかけたり、ソンプル書き込みに協力する署名を集めたりしている。地道な活動ではあるが、社会問題のアクプルを減らすための本格的な活動として期待されている。