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Ursula Burns氏 |
米Xeroxは3日、同社ビジネスグループ部門のプレジデントであるUrsula Burns氏の社長就任および取締役(ボードメンバー)就任を発表した。同社CEOで「世界で最も影響力のある女性」(Forbes誌)のひとりでもあるAnne Mulcahy氏の後を継ぐのは、"Xerox存亡の危機"を共に乗り切ってきたタフで生え抜きのアフリカ系女性となる可能性が高くなってきた。
Burns氏はニューヨーク出身の48歳。コロンビア大学で機械工学の修士課程を納めた後、1980年にインターンとしてXeroxに入社。以来、27年間に渡って同社のさまなまな部門でキャリアを積んできた。2000年に製造/サプライチェーン部門のシニア バイスプレジデントに就任したとき、Xeroxは厳しい経営状況に置かれており、Burns氏は労働者のコストカットという難題に直面する。手術後で療養中だったにもかかわらず、同氏は労働組合と直接交渉を重ね、製造部門のアウトソーシングを認めさせるなどの結果を引き出し、社の内外から高い評価を得ることになる。2002年、ビジネスグループ部門のプレジデントに就任、ここ数年はカラー印刷事業やデジタル印刷事業などにおいて100以上の製品開発のトップに立ち、同社の業績回復に大きく貢献したと言われている。
これまでその手腕を求める多くの企業から移籍の誘いを受けてきたが、「Xeroxが私を求める限り、ここにいたい」と、ひたすら同社でキャリアを積んできたBurns氏。Mulcahy氏は「Xeroxで自分のキャリアを終わらせる」と公言しており、Burns氏の社長就任に関しては「我が社にとっても彼女にとってもまったく論理的なステップ」とコメント、アナリストや投資家たちの間ではXeroxの次期CEOは同氏でほぼ決定と見る向きが多い。Mulcahy氏に続いて「世界で最も影響力のある女性」の上位にランクインされる日も遠くないようだ。