元yellowTAB CEOのBernds T. Korz氏は2日(ドイツ時間)、自身が運営するブログ「Bernd's World」上で、Zetaの開発を終了する方針を公表した。2006年4月のyellowTAB破産以降、Zetaは独占販売権を獲得した独Magnussoftの支援により開発が続行されてきたが、先日販売不振により支援打ち切りが決定、動向が注目されていた。

記事の冒頭では、yellowTAB破産のときにすべてを終わらせようとしたが、Zeta存続に対する要望の多さから継続の道を選択、Zetaを改良し前進できた、などとこの1年を総括。"この4週間の闘いはあまりに苛酷だった"という表現からうかがえるように、スポンサーである独Magnussoftとの交渉が不調に終わった無念さも吐露している。

Zetaのコードについては、開発に参加した元yellowTAB社員との間で弁護士を交えた話し合いを行い、Haiku OSなど、BeOSのプロジェクトで利用できるよう、なんらかの資産をオープンソース化する方向で調整中、とユーザコミュニティへの配慮を見せた。Zetaのアップデータ配布については、(法的な問題があるため)確実なことは言えないが、個人的には公開したいとのこと。

Zetaは、充実のマルチメディア機能と洗練されたユーザインタフェースで知られた「BeOS」の後継版にあたるOS。Korz氏率いるyellowTAB社が、BeOS開発元のBe社が業務を停止する直前の2002年3月に無期限ライセンスを取得、「Zeta」と名を変え開発を続行した。その後、製品候補版の有償販売を繰り返しつつ、2005年には正式版のリリースにこぎつけたが、販売は低迷。2006年4月に同社は破産したものの、エンターテイメント系ソフトで知られるMagnussoft社の支援を受け、開発を続行してきた。