近年、ビジネスシーンにおける生成AIの利用が一般的になりつつあります。企画書やプレゼン資料の作成から顧客のデータ管理まで、その用途は様々。そこで本連載では生成AIを使用する際におさえておきたい必須ポイントを「この一冊で全部わかる Chat GPT&Copilotの教科書」から抜粋して紹介します。今後生成AIが発展して進化しても、変わらずにおさえておきたいポイントです。
第4回はAI利用時の責任についてです。
責任は利用者が負う
生成AIを使ううえで、生成した成果物を使用した責任は基本的に利用者が負うため、著作権や肖像権などの権利に配慮することも重要です。ChatGPTの開発元であるOpenAIの利用規約にも、コンテンツの責任は利用者にあることが明示されています。
損害を与える可能性があるのは、著作権や肖像権の侵害、差別的表現とみなされる画像やテキストなどを生成AIが出力した場合です。また、生成AIが出力した情報をもとに行動した結果、事故や健康被害などが起こるケースも想定されます。
たとえば、ChatGPTやCopilotでは、DALL・Eという画像生成AIを使用できます。DALL・Eの利用に関しては、作成した画像は転載・販売・商品化する権利をOpenAIが認めています。ユーザーは生成した画像を自由に商用利用できますが、完全に著作権をクリアしているわけではないため、生成した画像が著作権侵害で訴えられることもありえます。
ChatGPTやCopilotには、法的に問題があったり、公序良俗に反したりするような出力を避ける仕組みが導入されています。しかし、これらの制限は完璧ではなく、何かしらの問題をもつ出力が生成される可能性は残っています。生成AIの出力内容を自分自身で十分に確認し、その情報を利用することが適切かどうかを見極める必要があります。
現時点では、生成AIの出力が著作権や肖像権に触れているのかを確実に判断する明確な基準は定められておらず、法整備について議論が続いています。そのため、利用者の倫理観がより重要になるでしょう。
生成AIはクリエイティブな表現を生み出すための強力なツールですが、同時にリスクも伴います。このリスクを理解し、適切に対処することが、生成AIを有効活用するうえで重要なポイントとなります。
『この一冊で全部わかる ChatGPT&Copilotの教科書』(中島大介:著者 / 西宏章:監修/SBクリエイティブ株式会社 刊)
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