古いクルマに乗っていると、日々、いろんなことが起こる。部品交換ひとつをとっても、必要に迫られて交換する場合もあるし、自分好みのクルマにしたくてあえて交換する場合もあって、理由はさまざまだ。ゴルフⅡとの日々で最近起こったことをつづってみたい。
球切れに対処する
筆者はフリーランスのジャーナリストとして「RJC」(日本自動車研究者 ジャーナリスト会議)に所属している。昨年末、「RJCカーオブザイヤー」最終選考会の会場となった栃木県の「モビリティリゾートもてぎ」に向かうため、まだ暗い中で自宅を出発すると、バックミラーに白黒ツートーンのクルマがついてくるのが目に入った。こちらは制限速度をキープして走っているのに赤色灯が点灯、「路肩に停止してください」の指示が。何事かと思って尋ねてみると、「左側の車幅灯がついていない」という。整備不良を問われるのかと思ったが、「なるべく早く交換してください」との指示で放免されてホッとした。
明るくなってリアのライトユニットを外してみると、12V 5Wの球は頭部が楕円形の特殊な形をしていて、近場のガソリンスタンドで探してみたら、予想どおり同じものがない。また止められるのも嫌なので、明るい時間だけ走って後日確認したところ、普通の丸い電球でもOKだということがわかって無事装着。ただし、ライトユニット周りのプラスチックが溶けて変形していたことが判明して、スピニングでキレイな中古品(1万円)を見つけて交換した。
レザーのステアリングが欲しい! 選んだのは…
ゴルフⅡ GLiの純正ステアリングは4本スポークのウレタン製。手に伝わる感覚は悪くないのだけれども、できればレザーのものに交換したい。エアバッグは当然装着されていないので、昔のように好きなものに交換できるのだ。
3本スポークタイプはちょっとスポーティーすぎるので、筆者が選んだのはイタリア・モモ(momo)の4本タイプ「ギブリ4」。メルカリで状態が良いものが3万円台で見つかったので、迷わず購入した。
ゴルフⅡ後期型に対応したmomo用ステアリングボスがスピニングに1個だけ残っていたので、それを使って装着。左ウインカーと右ワイパーのレバーとの距離がちょっと離れたものの、すぐに慣れた。レザーの表皮が手に吸い付く感覚はやっぱりコレコレ、という感じだし、ホーンボタンにあるmomoのロゴも素敵で気分がいいのだ。
自動車クラブに加入
1990年式の筆者のゴルフⅡ GLiは製造から35年が経っており、ヤングタイマーというか、“旧車”の範疇に入るのかもしれない。試乗会や発表会の場への足として普段から走り回っているのだが、旧車ライフを充実させるために「自動車クラブ」なるものに加入することにした。
筆者が入ったのは、地元・国立市に本拠がある「ACJ」(オートモビル グラブ ジャパン、是枝正美会長)だ。ちなみにこのクラブ、1908年(明治41年)に「自動車の宮様」といわれた有栖川宮親王が当時の自動車所有者(20台ほど)に声をかけ、日比谷公園から約30km先の谷保天満宮(国立市)を目指したという「遠乗り会」がルーツ。天満宮で行われた食事会の席上で設立されたのが、日本初の自動車クラブであるACJというわけだ。
現在のメンバー数は多く、筆者の会員ナンバーは811。国内のあちこちで展示会や走行会を開催する活発なクラブで、毎年秋には「谷保天満宮旧車祭」が大々的に行われる。筆者もすでに横浜・山下埠頭や武蔵野市で行われたイベントに参加していて、そこでさまざまな旧車に乗るオーナーに話を聞けるのはなかなか楽しい。
ゴルフⅡのフロントグリルには、JAFと英国で手に入れたグッドウッドフェスティバル・オブ・スピードのグリルバッジとともに、ACJのものが並ぶことになった。イベントの前には、例の純水を使った洗車を行うのが恒例になっている。
雨のち強風のカングージャンボリー2025
毎年出かけている「カングージャンボリー」に今年も行ってみた。山中湖畔で例年秋に開催されていた同イベントは、日程を5月に変更。今年で20回目を迎え、累計来場台数は2万を突破したという。
今年は暖かかったのは良かったのだが、昨年同様、スタート時点が雨(3年連続?)で、それが上がって富士山が顔を出し始めると今度は強風が吹き荒れてきて、バザーで出店している皆さんは大変そうだった。1,149台が集まったカングーオーナーはセンスの良い方が多いので、バザーではおしゃれな古着がたくさん売られていて(しかも格安)、今回も孫に着せる服を買いあさってしまった。
新型ゴルフRの試乗にゴルフⅡで出かける
フォルクスワーゲンが新型「ゴルフR」の試乗会を千葉県の「ポルシェエクスペリエンスセンター東京」で開催するというので、ゴルフⅡで出かけた。
わざわざこの日のためにドイツから来日した開発担当者のヨーナス・ティーレバインさんとテストドライバーのベニー・ロイヒターさんに「今日はゴルフⅡに乗ってここまでやってきました」と伝えたところ、2人とも「ぜひ見たい!」とおっしゃるので、駐車場までお連れして撮影した記念写真がこれ。
ベニーさんは「ワォ、3速オートマだ! 高速でうるさいだろ」と大笑い。ついでに20数年前の「VWサーキットトライアル」に参加していた頃の「ゴルフⅢ VR-6」の写真を見せると、ヨーナスさんが「パープルカラーのこれに、僕のおばあちゃんが乗っていたんだよ」と教えてくれた。
古くても新しくても、「ゴルフ」というだけでつながることができるのはとっても嬉しい。そういえば、ディーン・フジオカさんが出演する新型ゴルフのCMに「ゴルフⅠ」がチラリと登場するのもなかなかいい。