2025年は貴金属業界にとって忘れられない1年になりました。
年始からじわじわと金相場が上昇し、特に9月、アメリカが想定外の利下げに踏み切ったことで世界中の資金が金に流れ込み、日本の金相場は1g=20,000円 という歴史的な大台を突破しました。
10月も勢いは衰えず高値圏を維持し、現在は小康状態とはいえ依然として過去最高水準近くを推移しています。
しかし、金相場急騰に比例するかのように増加したのが――金の密輸です。
密輸総額は2025年に入り過去最多ペースへ。この背景には、一般の旅行者でも“知らないうちに密輸に巻き込まれ得る”という現実があります。
なぜ金の密輸が急増しているのか
密輸が増える理由は非常にシンプルです。
日本では金の売買に10%の消費税がかかる
多くの海外では金購入に税がかからない(または非常に低い)
この差を悪用すると、
- 海外で金を非課税で購入 → 日本へ無申告で持ち込み → 国内で売却(10%分がそのまま利益)
という“密輸ビジネスの構図”ができあがります。
もちろん本来は、入国時に税関に申告し、消費税相当額を納める義務があります。
これを意図的に避ける行為が密輸にあたり、厳しい罰則の対象です。
金を日本へ金を持ち込む際のルール
海外旅行のついでに金製品を買う人も多いですが、帰国時には以下のルールを知っておく必要があります。
- ①金地金(純度90%以上)を1kg超持ち込むとき
→ 税関で事前申告が必要。相当分の税金を支払う。
- ②金地金でなくても、金製品を含めたお土産総額が20万円を超える場合
→ 税関での申告が必要。相当分の税金を支払う(20万円までは免税範囲内)。
- ③1点あたり1万円を超える金製品は場合によって申告対象
→ アクセサリー類でも高価なものは申告が必要になるケースがあります。
ここで重要なのは、“税金がかからなければ申告不要”ではないという点です。
“持ち込み量や価格によるルール”が決まっているため、知らずに違反する可能性もあります。
金のネックレス・ジュエリー類の扱いは?
ジュエリー類は基本的に、持ち込んでも大きなリスクはありません。その理由は以下の通りです。
ジュエリーには加工費・デザイン費・ブランド料が大きく上乗せされている
そのため、海外で買って国内で売却しても利益が出にくい構造
結果として密輸目的には不向き
帰国時の申告ルール(20万円超など)は適用されます。
また、高額ジュエリーを無申告で持ち込むと、密輸扱いになる可能性もあるため注意が必要です。
密輸が発覚するとどうなる?
金の密輸は“ただの税金逃れ”では済みません。密輸が発覚すると、
没収:申告しなかった金は没収される可能性が高い
罰金:高額になるケースが多い
刑事罰:状況によっては懲役刑の可能性もある
組織案件になると厳罰化:最近は旅行者を巻き込むケースも報告されている
特に近年は、税関側もAI識別やX線検査強化によりチェック精度が大幅に向上しており、「見つからないだろう」は通用しません。
相場高騰で「密輸」に巻き込まれやすくなる理由
金相場が高騰すると、
“海外で金を買って日本で売れば儲かる”
“相場が高騰することで儲かる金額が増える”
“誰かに頼まれて運んであげるだけで報酬が出る”
といった甘い話を持ち掛けられる可能性が増えます。
特に年末年始の繁忙期は、旅行者が標的になりやすい時期。気づいたら金を運ばされていた、という例も皆無ではありません。
海外旅行で“知らぬ間の密輸”を防ぐために
年末年始の海外旅行では、以下を押さえておくと安全です。
地金・金貨を買ったら必ず申告
購入レシートやインボイスは必ず保管
高額製品は申告対象になることを理解
「金を運んでほしい」と頼んでくる人物は100%怪しい
売却するなら信頼できる買取店へ(法律に沿った取り引きができる店)
“申告すれば合法、申告しなければ違法”。これだけのシンプルな構造ですが、意外と見落とされがちです。
まとめ:正しい知識があれば密輸リスクはゼロにできる
2025年は金相場が歴史的な局面に入り、同時に金密輸も過去最多を記録する年となりました。税制度の違いが利益を生み、多くの人を誘惑する環境が整ってしまったからこそ、一般の旅行者にもリスクが及びます。
年末年始、海外旅行に行く際は、「知らなかった」「お土産のつもりだった」では済まされないという意識が大切です。
金相場が盛り上がる時代だからこそ、適切な知識で身を守りながら、安全かつ楽しく旅にお出かけください。
株式会社Clarisse
本社:東京都新宿区西新宿8-11-1 日東星野ビル6階
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設立:2024年9月
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