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8 ジウジアーロのクルマたち

ジウジアーロが初めて手掛けた日本車 - マツダ「S8P」

JUN. 16, 2025 08:00
Text : 原アキラ
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1964年、イタリアの名門カロッツェリア「ベルトーネ」の若手デザイナーだったジョルジェット・ジウジアーロが初めて手がけた日本車が、マツダ「S8P」だった。

  • マツダ「S8P」

    マツダ高級路線の元祖?(「オートモビルカウンシル2025」の会場で原アキラが撮影)

ジウジアーロとマツダの相性は?

当時の東洋工業(現・マツダ)は、「R360クーペ」と「キャロル」の2台の軽自動車と800ccセダンの「ファミリア」とラインアップが少なく、上級セダン(のちの「ルーチェ」)の開発を画策していたころだった。日本人企業家の宮川秀之氏の紹介で結びついたのが、イタリア人デザイナーのジウジアーロだ。

会社側から提案されたのは、ロータリーエンジンを搭載する前輪駆動の中型セダン。「東洋工業のことは全然知らなかった」(ジウジアーロ談)とはいいつつも、腕を振るって製作したのが流麗なシルバーボディを持つ「S8P」だった。

  • マツダ「S8P」

    ジウジアーロと日本車の関係はここから始まった

ロータリー搭載モデルらしい低いボンネットと、それと対になるようにリアに向かってなだらかに下がるトランクのライン、BMWの「ホフマイスター・キンク」を彷彿させる下端がキックアップしたCピラーなど、その姿は今見ても本当に美しい。

  • マツダ「S8P」

    「S8P」の美しさは今も色あせていない

フロントグリルにはジウジアーロがデザインしたロータリーエンジン型の旧マツダエンブレム、フロントフェンダーには「disegno di Bertone」と書かれたバッジを装着している。

  • マツダ「S8P」
  • マツダ「S8P」
  • フロントグリルにはジウジアーロがデザインしたエンブレムが

細い3本スポークステアリング、丸型3連メーターと各種スイッチ類が水平に並ぶウッドネル、明るいブラウンレザーを組み合わせたインテリアも上品で、高級セダンらしい仕上がりだ。

  • マツダ「S8P」
  • マツダ「S8P」
  • インテリアも高級セダンにふさわしい雰囲気

美しいボディラインは「ルーチェ」が継承

S8Pは長らくマツダの倉庫で眠っていたというが、2000年代になって発見し、同社が修復。2011年に広島市の交通科学館で展示した。今回、オートモビルカウンシル2025の会場を訪れたジウジアーロも「久しぶりに会えてとても嬉しかった」と感想を語っている。

1966年に発売となった初代ルーチェは、ヘッドライトが角形2灯から丸目4灯に変更されていたものの、ボディラインはS8Pを踏襲したイタリアンデザインのセダンとして登場。ただしロータリーエンジンは搭載せず、駆動方式もFRとなっていた。

一方、1967年になってデビューした2ドアハードトップの「ルーチェロータリークーペ」は、ロータリーエンジン(13A)を搭載したマツダ初の前輪駆動車として製造・販売された。

  • マツダ「S8P」
  • マツダ「S8P」
  • マツダ「S8P」
  • マツダ「S8P」
  • マツダ「S8P」
  • マツダ「S8P」

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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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