2026年10月の酒税改正を機に、金麦は従来の新ジャンル製法からビール製法へ変更。「金麦」「金麦<糖質75%オフ>」を10月6日(火)から、麦のうまみが特徴の「金麦<豊潤>」を10月13日(火)から全国で発売する。

今回のツアーでは、金麦ブランドの歩みやビール化の背景、製造工程を紹介。さらに試飲パートでは、「金麦」「金麦<糖質75%オフ>」「金麦<豊潤>」の飲み比べも楽しめる。開催に先立ち、メディア向けプレスツアーに参加した。

  • 左から「金麦<豊潤>」、「金麦」、「金麦<糖質75%オフ>」

    左から「金麦<豊潤>」、「金麦」、「金麦<糖質75%オフ>」

工場見学から試飲まで約90分。「金麦」がビールになる理由を体験

「サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野」では通常、「ザ・プレミアム・モルツ」の工場見学ツアーを開催している。今回、新しい金麦の発売に合わせ、10月限定で実施されるのが「『金麦は、ビールへ。』おいしさ体感ツアー」だ。

  • 通常は「ザ・プレミアム・モルツ」の体験ツアーが開催されている

    通常は「ザ・プレミアム・モルツ」の体験ツアーが開催されている

所要時間は約90分で、ツアーは3部構成。第1部ではビールや発泡酒、新ジャンルの違いや2026年10月の酒税改正について学びながら、金麦がなぜビールになるのかをひもといていく。

第2部では工場内に入り、金麦の製造工程を見学。実際の設備を見ながら、一杯の金麦がどのようにつくられているのかを学ぶ。

第3部では試飲しながら、実際に商品開発に携わる醸造家による解説を聞く。つくり手からビール化に込めた思いや味づくりへのこだわりを直接聞けるのも今回のツアーの特徴だ。

「見る・聞く・飲む」で伝える、新しい金麦

マーケティング本部 ビール・RTD部 課長の斎藤圭世氏は今回のツアーについて、ビール化に込めた思いやおいしさへのこだわりを「ぜひ醸造家自らお客様にお伝えしたい」と説明する。

  • マーケティング本部 ビール・RTD部 課長の斎藤圭世氏

    マーケティング本部 ビール・RTD部 課長の斎藤圭世氏

「今回のツアーでは、制度や商品情報を説明するだけではなく、『工場を見る』『醸造家の話を聞く』『実際に飲む』といった体験を組み合わせています。商品がビールに変わるという事実だけではなく、『なぜビールにするのか』『どのような考えでつくっているのか』『実際にどのような味なのか』まで、一連の体験として理解してもらうことが狙いです」

ビールの約9割は水。サントリーがこだわる「天然水仕込」

一般的なビールの主な原料は水、麦芽、ホップ。なかでも約9割を占めるのが水だ。

サントリーでは水にこだわっており、良質な天然水を使った「天然水仕込」を採用している。国内4カ所のビール工場も、良質な天然水を採水できる場所を選んで建設したという。「金麦」をはじめ、「ザ・プレミアム・モルツ」や「オールフリー」などにも天然水が使われている。

工場ツアーでは山に降った雨が土壌や地層を通り、長い時間をかけて天然水になっていく過程を模型で紹介。

  • 模型を見ると、ビールづくりが工場の中だけで完結するのではなく、その土地の水から始まっていることが分かる

    模型を見ると、ビールづくりが工場の中だけで完結するのではなく、その土地の水から始まっていることが分かる

酵母を24時間管理。熟成の見極めには、人の五感も

続いて向かったのは、ビールの骨格となる「麦汁」をつくる仕込工程だ。

  • 仕込工程には仕込槽から仕込釜、濾過槽、煮沸釜とたくさんの工程があり、その一部を見学できる

    仕込工程には仕込槽から仕込釜、濾過槽、煮沸釜とたくさんの工程があり、その一部を見学できる

  • 工場の風景

    工場の風景

天然水と砕いた麦芽を混ぜ合わせ、麦の殻を取り除いた後、ホップを加えて香りや苦味をつける。こうしてできた麦汁に酵母を加えると、酵母が糖分を取り込み、アルコールや炭酸ガス、香り成分を生み出す。約1週間の発酵を経て、「若ビール」と呼ばれる状態になる。

  • 醗酵までの工程を映像で紹介

    醗酵までの工程を映像で紹介

印象的なのは、人による管理が多く取り入れられていることだ。酵母は生き物であるため、つくり手が24時間体制で状態を確認。香りやタンク内部の状態を確かめながら、温度や圧力を調整しているという。

発酵後の「貯酒」と呼ばれる熟成工程でも、人の感覚が重要になる。つくり手が実際に香りや味わいを確かめる「官能検査」を行い、熟成の状態を見極める。設備による管理だけでなく、人の五感もビールの品質を支えている。

  • 貯酒工程を終えると、実際に使われていた巨大なタンクを再利用した「タンク通路」を通り抜けていく

    貯酒工程を終えると、実際に使われていた巨大なタンクを再利用した「タンク通路」を通り抜けていく

新しい金麦は「生ビール」に

熟成を終えたビールは、ろ過工程へ進んでいく。フィルターを使い、役目を終えた酵母や澱などを取り除いていく。ここで紹介されたのが生ビールの定義だ。生ビールとは、熱処理をしていないビールのこと。2026年10月から登場する新しい金麦も生ビールになるという。

最後はパッケージング工程だ。ビールは酸素に触れると味わいが変化するため、缶に炭酸ガスを入れて酸素を追い出してからビールを充填する。

  • パッケージングをする工程

    パッケージングをする工程

缶の検査や洗浄、充填後の検査などを重ね、最後には機械だけでなく人の目でも傷やへこみがないかを確認。大量生産の現場でありながら、工程の随所に人の判断が組み込まれている。

20年間守ってきた「麦の旨み」と「澄んだ後味」

工場見学を終えると、ビール開発生産本部 ビール商品開発研究部 開発主幹の水口伊玖磨氏が新しい金麦の開発について解説してくれた。

  • ビール開発生産本部 ビール商品開発研究部 開発主幹の水口伊玖磨氏

    ビール開発生産本部 ビール商品開発研究部 開発主幹の水口伊玖磨氏

金麦は2007年6月、新ジャンル商品として発売された。以来、約20年にわたって追求してきたのが、「麦の旨み」と「澄んだ後味」の両立だ。

目指しているのは、単に濃厚な味わいではない。麦の旨みを感じながらも後味はすっきりとさせ、食事の味を邪魔しない。食事と金麦、それぞれの次の一口が自然と進む味わいを追求してきたという。

今回、酒税の一本化を契機に、開発チームは「ビールの製法でもっと金麦をおいしくできるのではないか」と考え、ビール化に挑戦した。そこで課題となったのが、麦芽比率だ。ビールとしてつくるためには、麦芽比率を50%以上にする必要がある。麦芽を増やせば麦由来の旨みを強くできる一方、甘みや旨み、雑味などが後味に残りやすくなる。

つまり、「麦の旨みを強くすること」と「澄んだ後味を守ること」をどう両立させるか、開発する上でのジレンマがあったという。

この課題を解決するため、開発チームは原料と製法を一から見直すことに。麦芽には、旨みに寄与するたんぱく質を多く含む「うまみ麦芽」と「国産麦芽」を組み合わせた「贅沢麦芽」を採用。さらに、アロマホップとビターホップを組み合わせ、狙った味わいになるよう原料の配合を0.1%単位で設計したという。

  • 醸造家の話を聞きながら、ゆっくり試飲を楽しめる」

    醸造家の話を聞きながら、ゆっくり試飲を楽しめる」

  • ビールサーバーから目の前で注いでもらえる

    ビールサーバーから目の前で注いでもらえる

製法でも工夫を重ねた。一つが、仕込釜で麦芽を煮出し、旨みとコクを引き出す「デコクション製法」。もう一つが、仕込時に3段階の温度帯を使い、じっくりと麦の旨みを引き出す「うまみ三段製法」 だ。麦芽の旨みを引き出しつつ、後味に影響する成分の抽出や分解を細かく制御することで、麦芽比率を高めても金麦らしい澄んだ後味を実現したという。

単に新商品を試飲するだけでなく、「なぜ金麦がビールになるのか」「ビールになっても金麦らしさをどう残したのか」まで体験を通じて知ることができるのが「『金麦は、ビールへ。』おいしさ体感ツアー」の魅力といえそうだ。

ツアー概要

  • 所要時間:90分
  • 参加費:1000円(税込)
  • 開催日:2026年10月3日(土)、4日(日)、10日(土)、11日(日)、12日(月・祝)、17日(土)、18日(日)、24日(土)、25日(日)、31日(土)
  • 開催時間:1日2回開催(9時55分~、14時5分~)