アーリーチェックインやレイトチェックアウトをはじめ、ウェルカムアメニティや客室のアップグレード、クラブラウンジ利用や朝食無料などさまざまな特典を受けられるホテルの上級会員。一般的にホテルの上級会員になるには、1年間に何十泊もの宿泊実績が必要だ。しかし、クレジットカードや年会費を払うことで、上級会員ステータスを獲得したり、特典を得られたりする会員制度もある。宿泊実績だけに頼らない「ホテル上級会員」の別ルートを見ていこう。
Marriott Bonvoyは年3.4万円カードでGold、年8.2万円&500万円決済でPlatinum
ホテルの上級会員資格をクレジットカードで獲得する代表例といえば、Marriott Bonvoyだ。Marriott BonvoyのGold Eliteは、通常なら年間25泊が必要だが、Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・カードを保有することで、Gold Eliteが自動的に付与される。通常カードの年会費は3万4,100円(税込)。Gold Eliteになると、対象となるホテルで25%のボーナスポイント、空室状況に応じた客室アップグレード、午後2時までのレイトチェックアウトといった特典がつく。また、カードのご入会日/切替日から毎年1年間のプログラム期間中に、カードを合計250万円(税込)以上利用し、翌年度以降もカードを継続すると、交換レート50,000ポイントまでの無料宿泊特典(1泊1室分)がプレゼントされる。
さらに上を目指すなら、Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードを選択したい。年会費は8万2,500円(税込)。さらに年間500万円以上をカード利用すると、通常なら年間50泊が必要なPlatinum Eliteへアップグレードされる。
Platinum Eliteでは、50%のボーナスポイントに加えて、客室アップグレード、午後4時までのレイトチェックアウト、ブランドによっては朝食やポイントなどから選べるウェルカムギフトといった特典が用意されている。生活費や事業経費などで日常的にカード決済を利用する人にとっては、ホテルに50泊することなく上級会員資格を得られるのは大きなメリットだ。
また、プレミアム・カードの場合、毎年1年間のプログラム期間中に、カードを合計400万円以上利用し、翌年度以降もカードを継続すると、交換レート75,000ポイントまでの無料宿泊特典(1泊1室分)がプレゼントされる。
Hilton Honorsなら年1.6万円カードでGold、6.6万円でDiamond
Hilton Honorsにも、カード会員向けの上級会員資格がある。ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カードでは、通常なら年間15回の滞在または25泊が必要なGoldステータスを、基本カード会員に自動付与。年会費は1万6,500円(税込)だ。
Hilton Honors Goldでは、空室状況に応じた客室アップグレードやエリートステータスボーナスなどの特典が受けられる。対象ホテルや地域によっては、朝食または飲食クレジットの特典もつく。さらに1年間の間に合計150万円以上のカード決済をすると、ウィークエンド無料宿泊特典が1泊分プレゼントされる。
さらに上のDiamondを狙うなら、ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードがいいだろう。年会費は6万6,000円(税込)。入会時にはGoldステータスが付与され、カードを継続するだけで、毎年無条件でウィークエンド無料宿泊特典1泊分がつく。また、プログラム期間中にカードを合計300万円以上利用のうえカードを継続すると、もう1泊分追加でプレゼントされる。
年間200万円以上を利用すると、通常なら年間25回の滞在または50泊が必要なDiamondステータスを、達成年の翌年まで取得できる。Diamondになると、100%のエリートステータスボーナスやエグゼクティブラウンジへのアクセスなど、Goldより手厚い特典がつく。
1枚で複数ホテルをカバーする年16.5万円のAmex Platinum
特定のホテルチェーンだけでなく、複数ブランドを利用したい人なら、アメリカン・エキスプレスのプラチナ・カードも候補になるだろう。プラチナ・カードの年会費は16万5,000円(税込)。ホテル特化型のカードと比べると高額だが、その代わりに複数のホテルプログラムの上位ステータスを取得できる。
2026年8月時点の公式案内では、以下のホテルメンバーシップへの登録が可能だ。
- Hilton Honors Gold
- Marriott Bonvoy Gold Elite
- Seibu Prince Global Rewards Platinum
- Radisson Rewards Premium
- One Harmony Exclusive
さらに、ALL Accor(オールアコー)のGoldステータス付与も、2026年秋開始予定となっている。
さらに国内対象ホテルの無料宿泊券(1泊2名様分、5万円相当)に加え、2026年7月からは、年間500万円以上のカード利用がある場合、継続特典の「プレミアム フリー・ステイ・ギフト」が1泊追加されるなど、ホテル以外の旅行特典も強化された。
サブスクでステータスを得る! 年3.9万円のアコーと、年4万円のIHG
ここからは、クレジットカードとは違う方法を見てみたい。「ラッフルズホテル」や「フェアモント」を有するアコーの「ALL Accor+エクスプローラー」は、12カ月間の有料メンバーシップ、いわゆるサブスクリプションサービスを2026年6月30日から日本でスタートさせた。コストは年会費39,800円または14,000リワードポイントで、日本向けサービスでは、ALL AccorのGoldステータスが付与される。
ALL AccorのGoldは、通常なら年間30泊または7,000ポイントが必要なステータスだ。Goldでは、空室状況に応じた客室アップグレードなどの特典がつく。すでにGold以上の会員なら、付与された30泊分をさらに上位ステータス獲得に向けて利用できる。
さらにALL Accor+エクスプローラーの大きなメリットが、アジア太平洋地域とアラブ首長国連邦で、年2回利用できる2泊以上の予約で1泊分が無料になる「ステイプラス無料宿泊」だ。加えて世界5,000軒以上のアコーホテルで利用できる15%OFF料金、対象レストランでの30%OFF、ドリンク15%OFFなどが用意されている。特にアコーを定期的に利用する人なら、ステータスだけでなく無料宿泊やダイニング特典まで含めて年会費の元を取れるかを考えるといいだろう。
一方、インターコンチネンタルホテルズ&リゾーツを展開するIHGにも、有料会員になることで上級資格を得られるユニークな仕組みがある。それが「インターコンチネンタル アンバサダー」だ。年会費は225米ドル(2026年8月21日時点で40,661円)。入会すると、IHG One RewardsのPlatinum Eliteステータスが付与される。IHG One RewardsのPlatinum Eliteは、通常なら年間40泊または60,000ポイントが必要な資格だ。
ただし、アンバサダーの魅力はIHG One RewardsのPlatinumだけではない。インターコンチネンタルホテルズ&リゾーツでのワンランク上の客室アップグレード保証、午後4時までのレイトチェックアウト保証、滞在1回あたり最大20米ドルのレストラン&バークレジット、さらにウィークエンド無料宿泊(2連泊のうちの1泊分が無料)が付く。
なお、この無料宿泊は「2泊目無料」の仕組みで、対象の週末料金で2泊以上を予約した場合の2泊目に適用される。発行日から12カ月間有効だ。
ここで注意したいのは、アンバサダーの特典とIHG One Rewardsの特典は適用範囲が異なること。アンバサダー独自のアップグレード保証などはインターコンチネンタル限定だが、Platinum EliteとしてのIHG One Rewards特典はIHGの対象ホテルで利用できる。
ハイアットはどう? 日本では「カードで上級会員」の道は限定的
提携クレジットカードの保有や、有料会員になることで上級会員資格を取得できるホテルがある一方、ハイアットのロイヤルティプログラム「World of Hyatt」は、少し事情が異なる。
World of Hyattには、Discoverist、Explorist、Globalistの3段階のエリート資格があり、通常はそれぞれ年間10泊、30泊、60泊、または所定のベースポイントを獲得することで到達する。Globalistなら年間60泊または10万ベースポイントが必要だ。
米国では「World of Hyatt Credit Card」が発行されており、カードを保有するとDiscoveristが自動付与されるほか、毎年5泊分のエリートナイトクレジットが付与され、カード利用でも上位資格への宿泊実績を積み上げられる。
しかし、このカードは米国向け。日本ではMarriott BonvoyやHilton Honorsのように、国内で申し込める提携カードを保有するだけでWorld of Hyattの上級会員資格を得るというルートは用意されていない。日本でWorld of Hyattの上級会員を目指す場合は、基本的にホテルへの宿泊やベースポイントを積み上げるのが中心となる。
宿泊、カード、年会費。どのルートが自分向き?
ここまで紹介した制度を整理すると、ホテル上級会員への道は大きく3つある。
| 獲得ルート | 代表例 | 取得できる資格・特典 |
|---|---|---|
| 宿泊実績 | 大手ホテルチェーン各社 | 宿泊数・ポイントを積み上げて取得 |
| クレジットカード | Marriott Bonvoy Amex、Hilton Amex、Amex Platinum | カード保有や利用額で取得 |
| 有料会員 | ALL Accor+、インターコンチネンタル アンバサダー | 年会費でステータスや特典を取得 |
大切なのは、「どれが一番安いか」だけで判断しないことだ。ホテルに年間50泊するような人なら、宿泊実績だけでPlatinumやDiamondを獲得できる。逆にホテルには年10~20泊程度しか泊まらなくても、日常のカード利用額が大きければ、MarriottやHiltonの提携カードを使うメリットが出てくる。そしてMarriottとHiltonのカードを単純に年会費で比較すれば、Hiltonの方がお得に感じられるかもしれないが、Marriott Bonvoyのポイントは約40社の航空会社のマイルへ交換できるという強みもあることは補足しておきたい。
また、複数のホテルを使い分ける人なら、Amex Platinumのように複数プログラムのステータスを取得できるカードが候補になるだろう。そして「アコーをよく利用する」「インターコンチネンタルに泊まりたい」という人なら、年会費制プログラムを検討する価値もある。
特にALL Accor+エクスプローラーは、30泊分のステータスナイトに加えて無料宿泊や宿泊料金の割引、ダイニング特典まで得られる。一方、インターコンチネンタル アンバサダーは、IHG One RewardsのPlatinum Eliteだけでなく、インターコンチネンタルでのアップグレード保証や無料宿泊など、ブランド独自のメリットが大きい。
「泊まって取る」だけではない、ホテル上級会員の新常識
もちろん、どの方法にもコストがかかる。だからこそ、「上級会員になるために何か新しいことをする」のではなく、自分がすでに行っている宿泊やカード決済を、どう上級会員資格につなげるかという視点が重要だ。「どこに泊まるか」だけでなく、「どうやってステータスを獲得するか」まで考える。それが、ホテルのロイヤルティプログラムを賢く使いこなす第一歩になりそうだ。
※本稿の制度、年会費、宿泊数、カード利用条件、特典内容は2026年8月21日時点で各社公式サイトを確認したもの。特典や条件は変更される場合があります。







