「健康診断でHbA1cが高めと言われた」「最近、血糖値が気になる」――そんな人も多いのではないでしょうか。

血糖値の急上昇や急下降は、糖尿病だけでなく、動脈硬化や生活習慣病のリスクにも関わるとされています。

この記事では、『食べてはいけないもの×いいもの』(伊勢呂哲也/Gakken)から抜粋して、血糖値が気になる人が見直したい食習慣について紹介します。

血糖値が気になったらコレをやめよう

健康診断の結果で注目を集める数値のひとつがHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)です。ヘモグロビンは赤血球内のタンパク質の一種で、細胞に酸素を運ぶ働きがあります。

血液中のブドウ糖がヘモグロビンと結合すると糖化ヘモグロビンが生まれます。HbA1cは、糖化したヘモグロビンの割合を示す数値(%)で、食後血糖値などと違い、過去1~2か月間の平均血糖値を反映します。

HbA1cの数値が高い、つまり高血糖は糖尿病リスクに直結します。この数値を下げるには、糖分と脂分の摂取を減らすことが第一です。

血糖値の急上昇や急下降は、血管を傷つけたり、スムーズな血流のじゃまをしたりして、生活習慣病のリスクを高めるので、GI値(グリセミック・インデックス値)の高い食べものを減らすことが大切です。高GIの食品をとるときは、先に野菜サラダや食物繊維の多いものや酢のものを食べたり、お茶やレモン水を飲んだりして血糖値の急上昇を抑えることを意識しましょう。

では、血糖値が気になる方が控えるべき食べものについてお話ししましょう。

「白い炭水化物」…高GI食品の代表選手

ごはんやパン、うどんなど、主食と呼ばれるものの栄養素は炭水化物です。その大部分は糖質で、残りが食物繊維です。

炭水化物は私たちのエネルギー源になる大切な栄養素であると同時に、糖質が血糖値の急上昇をもたらします。 また、エネルギー源であるだけに、とりすぎると肥満にもつながりやすい成分でもあります。

米や小麦を精製した白米、白い小麦粉には食物繊維がほとんど残らず、ほぼ糖質だけの食べものになっています。油分はありませんがカロリーも高く、食べすぎに注意です。 食べる前に食物繊維を含む野菜や果物、海藻類、豆類などを食べてから、ごはんやパンを口にすると血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。

なお、精製せずに胚芽などの食物繊維が残っている玄米や全粒粉は、カロリーは同じでもGI値が低い食べものです。もともと穀物にバランスよく含まれていたビタミンやミネラルも残っているので、適量を食べれば健康的です。1日のなかで1食、週に数回など、主食を「白色」から「茶色」にしてみましょう。

「スナック菓子」…避けたい成分がいっぱい

多くのスナック菓子には甘味や塩味、その他いろいろな食べもの「ふう」の味がついています。糖分や塩分、さまざまな食品添加物の集合体ともいえます。

素材自体も、ジャガイモや小麦粉、米粉などで、ほぼ糖質です。さらに油で揚げたスナック菓子も多いので、量と頻度を減らして、たまの楽しみにしましょう。

「ラーメン」…塩分と脂分に注意

麺に含まれる炭水化物、つまり糖質と塩分、そして油脂類。これはいわゆる健康によくないものの組み合わせといえるでしょう。しかし、どれも体にとって必要なものでもあるため、ラーメンが食べたい、ラーメンがおいしいと感じるのは、大げさにいってしまえば私たちの本能でもあるわけです。

スープを飲まなければ大丈夫という声も聞きますが、それは塩分と油脂分を減らせるということ。血糖値にもっとも影響を与える麺の糖質は減りません。

そこで強い味方がコンニャク麺です。グルコマンナンという食物繊維を大量に含むコンニャクは、糖質ゼロで低カロリーです。コンニャク麺であれば、糖質の心配はありません。

「加工肉」…ハムやソーセージは塩分と脂分がたっぷり

加工肉と聞いてもピンとこない人も多いと思います。ハムやソーセージ、ベーコンに代表される、長期保存できて、手軽に食べられる肉類のことです。

加工肉を食べることのリスクはいろいろありますが、血糖値に関していえば、塩分と脂分が問題です。加工肉の脂分の多くは、冷えると固まる飽和脂肪酸です。重要なエネルギー源のひとつですが、とりすぎると肥満につながり、血糖値に悪影響を及ぼします。加工食品に多く含まれ、健康リスクが問題になっているトランス脂肪酸が多いことも避けるべき理由のひとつです。これも内臓脂肪を増やし、肥満を通して高血糖の原因となります。

「ドレッシング」…糖分、塩分、食品添加物がいっぱい

ノンオイルドレッシングで油分は避けられても、糖分や塩分、食品添加物とカロリーをチェックすると、高血糖を引き起こす原因となる食べものだということがおわかりいただけるかと思います。まったく食べてはいけないということでなく、無意識に食べていたものの実体を知ったうえで口にすることが大切です。ほんのり味がつく程度にかけるなど使い方も工夫しましょう。

オリーブオイルなどの良質で新鮮な油にレモン汁や酢と塩、こしょう、これらを混ぜるだけでおいしい手作りドレッシングになります。ポン酢などを加えれば味の変化も楽しめます。市販のドレッシングとミックスして、食事を楽しんでみましょう。

「清涼飲料水」…〝カロリー〟は飲まない

ペットボトル症候群という言葉をご存知でしょうか。糖分が多く含まれる清涼飲料水などを飲みすぎることで血糖値が急激に上昇し、健康リスクをもたらすものです。医学的には「清涼飲料水ケトーシス」や「ソフトドリンク・ケトーシス」と呼ばれ、深刻な問題と考えられています。

血糖値が高くなると血液がドロドロになり、それを薄めるために体が水分を欲する、つまり、のどが渇きます。そしてまた清涼飲料水を飲むことで、さらに血糖値を上げてしまうのです。

体にいいイメージの野菜ジュースやスポーツドリンク、エナジードリンクなども、糖分が多く高カロリー。エナジードリンクについてはカフェインの多さも気になります。いずれも日常的な水分補給として飲むことはおすすめしません。飲むなら水、無糖の炭酸水、無糖のお茶類やコーヒーなどを基本にしましょう。

「アルコール」…糖質過多で低血糖リスクも

飲酒については古今東西、さまざまな学説やデータが存在します。それだけ大人の生活に身近なものだということでしょう。

最近の研究結果では、飲酒に「適量」はなく、飲むこと自体が健康リスクだといわれていますが、私自身お酒が好きで禁酒はしていません。飲む頻度や量を減らして、楽しく飲むようにしています。

血糖値に関してアルコールがリスクになるのは、インスリン抵抗性を高めてインスリンの働きをじゃますること、種類によっては糖質やカロリーが多いことです。糖質を摂取しすぎると、脂質なしでも内臓脂肪がつきやすくなります。

そして、お酒を飲むときに塩分や脂肪分の高い食事やつまみを食べたり、締(し)めにラーメンが食べたくなることにも理由があります。摂取したアルコールを分解するときに、糖質と脂質を必要とするからです。

もうひとつ、アルコールには血糖値に関する意外なリスクがあります。それは、高血糖の反対、低血糖を引き起こすことです。

健康な人の場合、あまり心配することはありませんが、糖尿病が危ぶまれるほど血糖値に問題がある場合は、低血糖にも注意する必要があります。アルコールで低血糖が引き起こされるのは、肝臓でアルコールを分解する際、ブドウ糖の生成を抑制するからです。低血糖がひどくなると、めまいや立ちくらみを起こしたり、ひどい場合は意識を失うこともあるので注意が必要です。これが、つまみなしの飲酒や空腹時の飲酒は、高血糖や血糖値スパイク(食後の血糖値の急上昇と、その後の急降下)だけでなく、低血糖のリスクも大きいといわれるゆえんです。

血糖値が気になるけれど、お酒も適度に嗜(たしな)みたいし、付き合いもある。そんなときは、焼酎やカロリーの少ないアルコールを選び、野菜や豆腐、ナッツ類、青魚、脂肪分の少ない肉などをつまむようにしましょう。食べたい食材の味つけにレモン汁やリンゴ酢、シナモンパウダーをかけて「血糖値コントロールのための工夫」をしてもいいでしょう。

そしてなにより飲む量と頻度を抑えること。週に2~3日はアルコールを口にしない休肝日をつくることが望ましいです。

『食べてはいけないもの×いいもの』(伊勢呂哲也/Gakken)

医師がすすめる身体にいい食べ物、避けている食べ物がわかる――健康診断の結果が気になる人、不調が気になる人、健康寿命の長いアクティブシニアを目指す人が知りたい「食べもの」に関する情報がわかる!YouTubeチェンネルの登録者数が25万人を超える人気医師の伊勢呂哲也先生が、わかりやすく解説します。