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( Money )

節税対策になることも、売るに売れない"バブル遺産"の意外な活用法

OCT. 07, 2025 18:15
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こんにちは、行政書士の木村早苗です。数カ月前、相続手続きに向けた「法定相続情報証明書」を法務局で作成しました。銀行をはじめ各種の手続きに利用でき、その便利さを実感しているところです。

資産がありすぎるのも大変らしい

が、先日話した大手銀行勤務の知人によると、銀行によっては以前同様に戸籍の束を提出する必要があるのだとか。相続額の大きな利用者さんが多いため、銀行の責任で戸籍情報をすべて確認するのだとか。

確かに、(筆者のご先祖の戸籍情報がシンプルなほうだったとはいえ)法務局の確認って短時間で終わった気がします。利用者の安心感としてどちらが高いのかはわかりませんが、法務局以上の責任が課される行員さんの立場を思うと、関係ない立場なのに若干胃が痛くなりました。

今こそ中古住宅が注目されている

不動産の相続手続きの真っ最中の筆者ですが、空き家や扱いの難しい土地がないのが幸いでした。

でも、相続時に問題になりやすいのは、やはりこうした不動産関係ですよね。これまでも、空き家を取り巻く状況や事前の対策、相続後の管理などについて、何度か取り上げてきました。一般に、土地売却では物件が残っていると利用の自由度が下がるため、価格も下がるのが普通です。どの地域でも、まだまだ更地にして売ることの方が多いと思われます。

しかし、その傾向にも少しずつ変化が生まれて来ているようです。

近年の住宅資材の高騰や金利の上昇で、新築物件の価格が上がって購入が難しくなっていること、一方でリノベーションやリフォームを経た物件が投資に活用されたり、魅力的かつ新築より低価格として注目を集めたりしつつあること、ヴィンテージマンションの再評価ブームやエコ思考の広がりなどの理由から、中古住宅を活用したサービスが登場し、あえて中古住宅を選ぶ若い世代も増えてきているのだとか。

別荘を負の遺産にしない投資サービス

新たな傾向の1つめにご紹介するのは、LIFULLグループであるLIFULL Financialが行う「LIFULL STAY」。これは、古い別荘を買い取って宿泊物件としてリノベーションし、投資物件として販売し利益を得るサービスです。

1970~80年代頃、バブルが弾けるまでは非常に景気がよかったため、そこそこの役職につけば買える価格帯のリゾートマンションや別荘、温泉が出るというマンションの販売が盛んに行われていました。資産になるとの触れ込みもあり、琵琶湖の湖岸にもそうしたリゾートマンションがたくさん建設されていました。

でも、別荘やリゾートマンションは、実は管理がとても大変です。

空き家の事例でも解説しましたが、家は1カ月動きがないだけでも風通しが悪くなり、痛み始めます。もし春と秋の年2回、2週間ずつしか利用しないとしたら……。別荘を持つ知人が「着いて最初の2日は掃除から始める」と苦笑するほどなので、その大変さは間違いありません。

若いうちは体力があるので移動時間も楽しめますが、年齢を重ねると移動すらも億劫になってきます。つまり、メンテナンスのための時間や体力も同じく減ってくるのです。足が遠のき、建物は傷み、売却を迷っているうちに、大切な資産であるはずの別荘やマンションも、住む人がいないのに相続した遠い故郷の空き家とほぼ同じお荷物になってしまいます。

ただ、故郷の空き家と異なるのは、物件のある土地に付加価値があることです。

「LIFULL STAY」では買い取った別荘をリノベーションし、建物の付加価値も上げてから複数の投資家(オーナー)に販売・賃貸契約を結び、同社が宿泊施設や会員施設として運営を担当、売上の一部をオーナーに配当として還元しています。買い取りは現在、築22年以上の木造別荘に限定。法定耐用年数を経過した物件は短期間の減価償却となって税効果が高くなるため、高収入で多額の税金を納めている方には節税対策の一助になるはず、と同社員は説明しています。

まだ那須や軽井沢が中心ですが、サービスの拡大に沿って適応地域も広がっていくと考えられます。というのも、同社では、買い取った別荘を「付加価値の向上により快適な滞在場所へと再生する」ための「宿泊施設ガイドライン」を設定しているからです。ポイントにある「行き先ならではの休息を独占できる時間作り」「誰に対してもやさしく安心して過ごせる空間作り」を基本とし、時代のニーズにあったリノベーション方法などを考えると、その土地にしかない個性を活かしたリノベーション別荘の可能性は、日本各地にあるはず。海や山はもちろん、湖や温泉地の別荘の活用も将来的には見えてくるに違いありません。

物件の老朽化を加味せず売却できるリノベサービス

2つめにご紹介するのは、家を購入する世代の視点から生まれた、2013年創業のWAKUWAKUが提供する「リノベ不動産」です。

前述のように、不動産価格、資材費や人件費の高騰、金利の上昇などで、若い世代の住宅購入が難しい時代になりつつあります。「自分らしい暮らし」を実現したいという世代でありながら、買える新築物件ではその夢はもはや不可能と行ってもいいでしょう。

そんな状況に目をつけたのが「リノベ不動産」です。中古住宅探しや購入からリノベーションまでをワンストップで提供することで、新築の約3分の2の価格で自分らしい暮らしを手に入れることができます。

ここで重要になるのがリノベーションに活用できる中古物件です。一般的に、立地条件や築年数によって買い手がつきにくい物件だと、希望を大きく下回る価格で業者に買い取ってもらうか、空き家にしておくか、更地にするかで手を打ちがちです。ですがリノベーション前提の場合、物件の老朽化を加味せず評価されるため、売主側の希望に近い価格で売却が可能になるのです。

現在探しているのは、築20年から40年の中古戸建てやマンション。また同社では、2020年から全国の中小工務店やリフォーム業者向けに「リノベ不動産」のフランチャイズ展開も行っています。

築20年ほどだが立地条件がややこしい、しっかり建てたので壊すのは踏ん切りがつかない、逆に築40年は経っているが規模的に解体費がかかりそう……など、空き家に関する悩みをお持ちの方は全国でも少なくないはず。負の資産となりがちだった中古住宅を、次世代の「自分らしい暮らし」を提供する基盤として売却する。生きた資産として活用してもらう。お住まいの地域でも、意外とこんな選択ができるようになっているかもしれません。

せっかくなら、苦労して建てた家をまた活かせる選択ができるように、なるべく損をしないように。空き家を取り巻くサービスは、この2~3年でも大きく変化してきているようです。みなさんもぜひ、こうした損をしないための情報も集めてみてください。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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