パソコンのウイルス感染警告はほとんどが偽物
パソコンでブラウザを利用していると、突然ウイルス関連に関する警告が画面に表示されることがあります。
画面内や別のウインドウで警告が開いて、「ウイルスに感染しているのでここから除去してください」などの内容です。
実はパソコンを使っていて表示されるウイルス感染警告は、ほとんどが偽物となっています。
偽のウイルス感染警告における特徴や、表示されてしまう原因、目的について解説します。
偽のウイルス感染警告の特徴
偽のウイルス感染警告には、見分けやすい特徴がいくつか存在しています。
偽のウイルス感染警告の主な特徴を、以下にまとめました。
- 大きな文字や図などで不安を煽るメッセージ内容
- 表示されたときに警告音が鳴る
- よく見ると日本語がおかしい
- URLがMicrosoftなどの正規のものと異なっている
- 図などの解像度が低い
- 電話番号などの連絡先が書かれている
偽のウイルス感染警告は、合わせて表示されたボタンなどを経由して悪質なプログラムをインストールさせるためにできる限り不安を煽ってきます。
そのため不安を煽るメッセージ内容や大きな警告音などを流し、誘導を行っています。
しかし慌てて画面を操作せず、一旦落ち着きましょう。
よく見ると画面に表示されているメッセージが明らかに外国の人が書いたような不自然な文面だったり、誤字があったりするかもしれません。
また公式のものとは思えないほど図などが乱れていたり、URLも知らない文字列でMicrosoftやAppleといった文字が全然含まれていないかもしれません。
疑わしい要素が一つでもあれば、確実に偽の警告です。
一見内容が整っているように見えたとしても、ブラウザなどで表示される警告は基本的にすべて偽物です。むやみに開かず、無視しましょう。
記載されている電話番号などに連絡をすると、現金の振込などを指示する悪質な詐欺に遭ってしまう恐れがあるので、絶対に連絡はしないようにしましょう。
警告画面が表示される原因
ウイルスに感染したという偽の警告画面は、主にブラウザでWebサイトを閲覧しているときに表示されます。
サイト内に警告画面を表示するプログラムが組み込まれていて、対象のサイトが開くと自動的に現れます。
画面の真ん中に大きく表示されることもあれば、右下などに表示されることもあります。
海外の怪しいサイトなどはもちろん、国内の大手サイトなどであっても疑わしい広告が出ることがあるので、油断しないように気をつけましょう。
場合によってはインターネット上でダウンロードしてインストールしたソフトウェアなどにも、何らかの原因で広告スペースなどに警告が表示されることがあります。
警告画面を表示する目的
パソコンで警告画面が表示されるのは、警告を経由してインターネットを使っているユーザーに悪質なプログラムをインストールさせたり、現金などをだまし取ったりするためです。
もしも偽の警告に従ってウイルス除去に必要とされるプログラムをインストールすると、そこから本当のウイルスが侵入して個人情報を抜き取られる可能性があります。
表示された電話番号に電話をした場合も、「ウイルスを除去するために」「問題を解決するために」などの理由をつけて現金を振り込ませられるなどの詐欺行為に繋がります。
インターネットは世界中でたくさんのユーザーが利用しているので、中にはネットに詳しくない人も多く含まれます。
初心者を騙し、利益を得るのが悪質な偽警告画面の目的です。
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お住まいのエリアからパソコン修理業者を探すウイルス感染の警告が出た時の対処法
ウイルス感染の警告文は突然、そして不安を煽る内容で表示されるので、どうしても出てくると心配になってしまうものです。
しかしけっして慌てることなく、落ち着いて対処しましょう。
ウイルス感染警告が出た時の対処法は、以下の5つです。
- どこもクリックしない
- 個人情報を入力しない
- 電話をかけない
- ブラウザを強制終了する
- セキュリティソフトでウイルススキャンを行う
それぞれ具体的に説明するので、トラブル時は正しく対応するように心がけましょう。
どこもクリックしない
画面に出てきた偽の警告メッセージには、合わせて色々なボタンが表示されています。
- メッセージを消せる×ボタン
- ウイルススキャンをするとされる「スキャン」ボタン
- 「更新」ボタン
とくに「×」ボタンなどはメッセージを消せると思って押そうとしてしまいがちですが、これらのボタンはいずれもウイルス侵入などに繋がる恐れがあります。
ボタンがなくても、ただ表示されているメッセージの上にカーソルを置いてクリックしただけで怪しいプログラムなどがダウンロードされてしまうかもしれません。
偽の警告メッセージが記載されているポップアップは、どこもクリックしないように気をつけましょう。
個人情報を入力しない
偽のウイルス感染警告には、個人情報を入力させる欄が記載されていることもあります。
以下のような個人情報を入れることは、絶対にやめましょう。
- メールアドレス
- 住所
- 氏名
- 電話番号
メールアドレスが知られてしまうと、ウイルスなどが添付された悪質な迷惑メールがたくさん送られてきてしまう可能性があります。
住所や氏名、電話番号といった情報も、詐欺などで使われてしまったり、代引で高額な商品を送られるなどの迷惑行為をされてしまったりする恐れがあるのでご注意ください。
個人情報は一切入力せずに、警告を閉じるようにしなければいけません。
ただし警告に記載されている×ボタンなどを押したら本当にウイルスに感染してしまう危険性があるため、この後解説するブラウザの強制終了操作で閉じるようにしましょう。
電話をかけない
偽のウイルス感染警告には「ウイルスを除去するために」などの理由を添えて電話番号が記載されているケースもありますが、絶対にかけないようにしましょう。
電話をかけると、指定された口座に現金を振り込む、電子マネーを買わせるなどの指示をされることがあります。
もちろん詐欺であり、損をしてしまううえに反社会的な団体などの資金源になってしまう恐れもあります。
有人でオペレーターが指示をすることもあり、自分は騙されないと思っていても指示に従わされてしまう恐れもあるので、電話はかけないように気をつけましょう。
電話に限らず、メールやビデオ通話などの項目があったとしても、いずれも開いてはいけません。
ブラウザを強制終了する
偽のウイルス感染警告が表示されてしまったら、ウイルス侵入などのトラブルを回避するためにも速やかにブラウザを終了させましょう。
ブラウザを消す際は警告メッセージのポップアップ内の×ボタンは絶対に押さずに、ブラウザそのものの右上等にある×ボタンを押す必要があります。
全画面に表示されている場合はEscボタンを押して画面を小さくしましょう。
動作が重いなどの原因で通常のブラウザの×ボタンを押せない場合は、以下のような方法でブラウザを強制終了できます。
- AltとF4のキーを同時押しする
- タスクマネージャーから終了させる
- パソコン全体を再起動させる
タスクマネージャーは、「Ctrl」+「Shift」+「Esc」の同時押しで起動できます。
アプリの項目にあるブラウザを右クリックして、「タスクの終了」から終了させましょう。
パソコンの再起動はデスクトップ画面で「Alt」+「F4」の同時押しをして、「再起動」を選べばOKです。
一切パソコンが操作を受け付けなくなってしまっている場合は、電源ボタンの長押しなどで強制的にシャットダウンを行えます。
ブラウザのキャッシュとCookieを消去する
ウイルス感染の警告が表示されるWebサイトを画面から消去できたとしても、内部にそのデータである「キャッシュ」や「Cookie」が残っています。
もしかしたら残っているデータから再度警告が表示されてしまうかもしれないので、合わせてキャッシュやCookieも削除しましょう。
例えばGoogle Chromeでは、以下の手順で削除を行えます。
- 画面右上の三点リーダーをクリックし、「閲覧履歴を消去」をクリックする
- 期間を選択し、閲覧履歴や「Cookieと他のサイトデータ」、「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れて「データを削除」を選ぶ
データをすべて消去することで、万全な対策ができます。
セキュリティソフトでウイルススキャンを行う
ウイルス感染の警告ページや内部に残っているキャッシュ・Cookieといったデータを削除したとしても、もしかしたら中にウイルスなどが入り込んでいるかもしれません。
セキュリティソフトを使って、ウイルススキャンをしておきましょう。
Windowsの場合はWindowsセキュリティの機能により、「ウイルスと脅威の防止」からクイックスキャンを行えます。
必要に応じて有償のセキュリティソフトなども導入して、さらなるチェックも行いましょう。
警告の指示に従った場合の対処法
もしも誤って警告メッセージの指示に従ってしまったら、アプリケーションのダウンロードなどを経由して本当にウイルスに感染してしまう可能性があります。
警告メッセージを経由したウイルス感染が疑われる場合は、除去するためにパソコンの初期化も行いましょう。
Windows11では以下の手順で、パソコンの初期化ができます。
- 設定アプリの「システム」内にある「回復」を選ぶ
- このPCをリセットの項目を選び、個人用ファイルを含めて削除する
またクレジットカード情報などを提出してしまっていたら、継続で見に覚えのない請求が発生したり、個人情報が漏えいしてしまったりするかもしれません。
詐欺に自分の個人情報を使われてしまう可能性もあり、大変危険です。
もしも偽の警告の指示に従ってしまったことがわかったら、速やかに消費生活センターやパソコンの専門業者へ相談しましょう。
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お住まいのエリアからパソコン修理業者を探すセキュリティ被害に遭わないために普段から気をつけること
ウイルス侵入などのセキュリティに関連した被害に遭わないためには、普段から以下の3つに気をつけましょう。
- OSやブラウザを常に最新の状態に保つ
- セキュリティソフトを導入する
- 怪しいサイトやメールは開かない
どのようなことをするべきか、それぞれ解説します。
OSやブラウザを常に最新の状態に保つ
OSやブラウザは、定期的にアップデートを行うことでウイルス感染などのトラブルを回避するセキュリティ対策が行われています。
常にOSやブラウザのアプリを最新の状態に保っておきましょう。
自動で更新されることもありますが、必要に応じて手動でも更新の確認を行いましょう。
例えばWindows11の場合は、以下の手順でOSのアップデートを確認できます。
- 設定アプリを開く
- Windows Updateを選ぶ
- 「更新プログラムのチェック」をクリックすると、最新プログラムがあった場合はアップデートが行われる
Google Chromeのアップデートは、ブラウザの設定項目の「Chromeについて」から手動で行えます。
セキュリティソフトを導入する
パソコンにはOSの機能として標準でセキュリティ対策機能が備わっていますが、必要に応じてセキュリティソフトを導入することでより万全な状態にできます。
心配な場合はノートンやウイルスバスターなどを購入し、セキュリティを強化しましょう。
怪しいサイトやメールは開かない
セキュリティ対策として何よりも重要なのは、怪しいWebサイトやメールは開かないようにすることです。
うっかり自分の不注意で開いてしまうと、そこからウイルスが侵入したり、詐欺に遭ってしまったりします。
疑わしいWebサイトは開かず、知らない相手から届いた怪しいメールも一切開かずに削除しましょう。
不安に感じることがあれば専門業者に相談を!
パソコンでブラウザなどを利用しているとウイルスに感染したというメッセージがポップアップ表示されることがありますが、偽の警告です。
うっかり開いてしまうとウイルスに感染する恐れがあり、個人情報を入力したり電話をかけたりしても詐欺被害や個人情報の悪用といったトラブルに見舞われる恐れがあります。
なおウイルスなどの悪質なマルウェアはユーザーに気づかれないように裏で活動しているため、慌てて閉じても既に入り込んでしまっている可能性はあります。
パソコンの使用に少しでも不安がある場合は、パソコンのトラブルを解決できる専門業者に相談をすることも検討しましょう。